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2020年1月

2020年1月30日 (木)

イッコー・イオタで作るミウラJ その13 ・室内、エンジンの加工

キットのバスタブ型室内の後部には、シャーシのフレームに囲まれたエンジン上部が一体で再現されています。ただし、このエンジン部分は、リアカウルを開閉できるようにでもしない限り、完成後はほぼ100%見えなくなります。これでは、せっかく丁寧に塗装をしても甲斐がなく、ましてやディティールアップなんて論外です。
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一方、実車では、カウルを開けなくてもエンジンの一部が見える箇所があります。シート側からリアガラス越しに、キャブレターの頭などが見えているのです。ところがこのキットの場合、透明であるはずのガラス部分がすべてプラとなっているので、それを遮っているのです。
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この台形の部分は、本来はその形のフレームを残して透明なのですが、まさに「黒い壁」となり、後ろのエンジンは全く見えません。そこで、正確を期するのであれば、この部分を透明プラ板に置き換えるということになるのでしょうか、ここはあっさりと取り除くだけにしました。完成後、直に見える箇所ではなく、フロントやサイドウインドウ越しに覗くことになるので、それで十分だと判断したのです。
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ご覧のように、「黒い壁」がエンジン部分とバスタブを繋ぐ役割を果たしています。ということは、これをカットすれば、当然エンジンは分離することになります。
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壁を取り除いた後に、エンジンを元の位置に接着するために、カット前にL字型のプラ棒で「接着しろ」を設けました。プラ棒が透明パーツなのは、これしかなかっただけで特に意味はありません。もっとも、カット後に、キットのままだとエンジンの位置が高すぎることが判明したため、接着しろも修正しています。
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カットしたエンジン部分です。リアルさ云々を言うレベルのものでないので、基本的にそのまま使用することにします。ただし、あまりにも平面的、すなわちキャブとエンジンブロックの高さがほぼ同じなので、ここだけ手を加えることにします。
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プラパイプをカットして製作した「なんちゃってキャブレター」を装着してみました。
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細かいパーツ類ですが、ステアリングホイール(写真左)は、フジミのミニクーパー・レーシングから流用したもの、ドライバーズシートのヘッドレスト(写真中央)はキットのものです。写真左の筒のようなパーツは、シフトゲート前部に設置された消火器のお尻の部分です。製作した消火器が一部だけというのは、前回述べたように、奥行のスペースがないことからです。
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以上で、基本的な加工は完了したので、仮組みしてみました。内張には何のモールドもありませんが、幸いミウラJの場合、内張は剥がされ、板状のものがリベット打ちで張り付けられたような感じなので、このままで良しとします。なお、写真にはありませんが、シフトノブ、サイドブレーキはキットのものを使用します。
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シートについては、こんな簡素なものにも関わらず、ご丁寧に助手席側にも装着されていたようです。これは、当時のFIAのレギュレーションによるもの、すなわち「2座席」という要件を満たすためだと思われます。
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次回は、外装の各種パーツ類の製作を予定しています。

2020年1月29日 (水)

イッコー・イオタで作るミウラJ その12 ・シート、インパネの加工

室内に限ったことではありませんが、この車の資料は極めて少なく、実態はよく分かりません。ネットで実車の室内とされる海外の画像、また、2013年に発表された「クローン・イオタ」の写真などを参考に、それらしく製作することにしました。

まず、キットのシートは、両サイドのホールド部分が直立気味ですが、ノーマルのミウラのものを模したと思われます。
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一方、ミウラJのシートは、背もたれから座面にかけ、おそらくウレタン素材と思われる丸太状のものが並ぶだけの恐ろしく簡素な造りです。座面も相当低いと思われますが、構造などは全く分からないので、一から製作するのではなく、キットのシートを流用することにしました。シートの表面を削り、WAVEの半丸棒(3mm)を貼り付けます。
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次にインパネです。キットのダッシュボードには、特徴的な6連メーターも再現されています。(写真ではメーターが抜けているように見えますが、反射して光っているだけです。)
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バスタブ型の室内に取り付けると、こんな感じです。なお、室内をほぼストレートに組み立てた状態は、「イッコー・イオタ①レストア」編の「その11・室内等」で紹介した通りです。
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資料などを見ると、ミウラJのダッシュボードは、シート同様、非常にシンプルで、6連メーターはありません。また、ドライバーズシート正面の2つのメーターは、キットのように左右均等に並ぶのではなく、1つ(おそらく回転計)がほぼ正面に位置し、もう1つは右に寄るというレーシーなものです。これらを挟むように小さなメーターが付いています。そこで、キットのダッシュボードからメーターの計器の部分を、また、バスタブからメーターのふくらみ部分を切り離してこれらを接着し、プラ板を付け足して形を整えます。
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プラ板で製作したダッシュボードにメーターを取り付けます。小さい3つのメーターは、コトブキヤのモデリングサポートグッズの円型パーツです。
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シートとダッシュボードを仮組みした状態です。メーター下には、ステアリングホイールを取り付けるために、バスタブ壁面にプラパイプを接着しています。足元は、ペダルどころか奥行のスペースがほとんどなく、当初は切り抜くことも考えたのですが、切り抜いてもすぐ向こうの電池ボックスが現われるので、そのままとしました。電池ボックスを削ってまでの加工は、「イッコー製」らしさを損ないかねませんし。
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次回は、引き続き室内と、バスタブ一体のエンジンを加工します。

2020年1月27日 (月)

エグゾフレーム・素体 (グッドスマイルカンパニー 1/35) 最終回

キットには、女性のパイロットのフィギュアが付属しています。この女性は、少なくとも今のところ劇中に登場していませんが、今後、何らかの形で出てくるのでしょうか。ともかく、今回はストレートに製作することにします。
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パーツの分割方法が少し変わっており、背中に大きな合わせ目ができるので、丁寧にパテ埋め修正を行います。あとは塗装して完成です。使用した塗料は、いつもの水性ファレホです。
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エグゾフレームに搭乗させます。
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ちなみに、私はこの角度が好みです。というのも・・・
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女性パイロットがこちらをチラッと見ているからです。って、まあそういう風に塗装したのですが(笑)。もっとも、老眼も手伝って、肉眼ではほとんど見えません。
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なお、初回にも述べましたが、このキットは、今後発売されるアメリカ海兵隊仕様などの素体としてランナー丸ごとが使われます。パイロットは当然それぞれの仕様のものが加わるため、この女性パイロットは余剰パーツとなるのです。あらためて、このフィギュアをご覧ください。
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有難いことに、1/32の車のドライバーに間違いなく流用できると思います。

以上で、「エグゾフレーム・素体」編は今回で終了ですが、今度は劇中の情景などを製作したいと思っています。

2020年1月26日 (日)

エグゾフレーム・素体 (グッドスマイルカンパニー 1/35) その4 ・ケーブルの取り付けと組立

胸部、肩、太もものパーツにケーブルを取り付けます。ケーブルに見立てたプラグコードは、前々回にも述べましたが、さかつう製のものです。
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あとは各パーツを組み立てるだけですが、今回、各関節の接合部にワッシャーを装着することにしました。というのも、このキットは非常に精度が高く、可動部がほぼ密着するので、関節を曲げた場合、直接接地している箇所はもとより、その周辺の塗装が擦れて剥がれる可能性が高いと判断したからです。写真は、両腕と股関節に使うパーツですが、ワッシャーによってパーツ間に適度な隙間ができているのがお分かりいただけると思います。
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使用するワッシャーは0.25ミリ厚のプラ製で、パーツの軸の太さに合わせて4種類のものを用いました。
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肩のパーツに使うワッシャーは一番小さいものです。
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腕には、肘と手首の軸にワッシャーを取り付けます。
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組み立てた両腕です。
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同様に、膝や足首の軸にワッシャーを仕込んで組み立てた両脚です。
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腰部のパーツを組み立てたもので、写真にはありませんが、両脚を取り付ける際にワッシャーを挟みます。
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以上、各パーツを組み立てて、エグゾフレーム本体の完成です。
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最後に、パイロットの女性フィギュアを製作してエグゾフレームに搭乗させるとすべて完成ですが、それは次回にて。

2020年1月25日 (土)

エグゾフレーム・素体 (グッドスマイルカンパニー 1/35) その3 ・腕、脚部の加工と塗装について

腕と脚の細部を加工します。上腕の肩側に赤いケーブルがあるので、溝の仕切りをカットし、プラグコードの取り付け穴を開けました。
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太ももの外側に埋められているシリンダーが省略されているので、まずは穴を彫り込みます。写真右がキットの状態、左が加工後です。
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その穴にプラ棒で製作したシリンダーを取り付けます。また、上部の溝にケーブルの取り付け穴を開けます。さらに、膝の外側に付く車輪の軸の頭は、設定では「+」のモールドとなっているのですが、自身の好みでHIQPARTSのGLEPパーツを付けてみました。
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ふくらはぎのパーツには、各所に外装パーツのジョイント穴がありますので、プラ棒やパテで埋めます。
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あとは塗装して組み立てるだけですが、今回の塗装について少し触れておきます。設定画やアニメ本編を見ると、素体のままのエグゾフレームのボディカラーは、異星人からもたらされた機体ゆえに、材質的に金属とも石ともつかない微妙な色です。

この不思議なカラーの再現ですが、まず黒(サフ)で立ち上げて、その上に調合したカラーを吹きます。クレオスのガンダムカラーのフレーム色(グレー)に、リトルアーモリーカラーのステンレスシルバーを適量混ぜたものを、薄く繰り返し乗せてゆく感じです。シルバーにソリッドなカラーを混ぜることで、銀の粒子が相対的に少なくなり、荒くまだらになるのが狙いです。面的に一番広い腰部のパーツの写真を見ていただくと分かるでしょうか。
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上記の段階ではまだ黒っぽく、銀の色は当然銀ですが、この後、つや消しクリアでトップコートすることで、全体的に白っぽく、銀はツヤが消えます。これで、石のようなグレー地に、僅かに銀が浮いているという色を再現しました。

次回は、塗装したパーツを組み立ててゆきますが、ここでも一工夫凝らしましたので説明します。

2020年1月24日 (金)

エグゾフレーム・素体 (グッドスマイルカンパニー 1/35) その2 ・胸部の製作

組立説明図等でエグゾフレームの「胸部」とされる部分について、両サイドに肩も付いているので確かに胸部で正解なのでしょうが、外装の無い素体単体で見た場合、「顔(頭部)」に見えなくもありません。だとすれば、ロボットにとって命とも言えるような箇所にも関わらず、先端が二分割で細くカットされ、設定とは異なる形状となってしまっています。これは、前回も述べたように、後に発売される仕様の外装パーツのジョイント部になっているためと思われます。
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設定画などを見ながら、プラ板、パテで形状を整えます。
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首というか脇腹に当たる箇所があっさりしていると思われたので、HIQPARTSのエッチングパーツ「GLEP」のジョイントカバーを付けて密度感を増しました。また、背骨横の外装取り付け穴を隠すため、プラ板で埋めたり、コトブキヤのモデリングサポートグッズの円型パーツを取り付けています。
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ボディや手足には赤いケーブル?のようなものが付いており、これを再現するために取り付け穴を開けておきます。ケーブルには、さかつう製のプラグコード(0.38mm)を使用します。
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肩パーツをディティールアップしました。ここにもケーブルが束で付いており、スジ彫りしたプラ板で再現しました。
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胸部、肩の基本塗装を行い組み立てた写真です。なお、塗装に関してはこれで終わりではなく、次回以降でまとめて説明します。
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背後に付く操縦席です。足元のペダル部分に押し出しピン跡がありますので、モデリングサポートグッズのエッチングパーツで隠しました。
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次回は、手足の加工等を行います。

2020年1月23日 (木)

エグゾフレーム・素体 (グッドスマイルカンパニー 1/35) その1 ・プロローグ

昨年末最後に紹介したエグゾフレームが早速完成しました。ミウラJと並行して製作したもので、こちらの方はブログで述べた「今年中に完成させる」という目標の一つが、年明け早々の1月に達成した形です。
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このキットは、ホビージャパン2020年2月号の付録ですが、オマケなどと侮ってはいけません。というのも、この後発売が予定されているアメリカ海兵隊仕様などの骨格となる素体のキットそのものだからです。ゆえに出来は非常に良いのですが、省略されている細部を再現するとともに、パーツ各所に外装を取り付けるジョイント穴などが散見されるので、設定に近づけるためにこれらの修正を行いました。また、女性のパイロットが付属しますが、それは最後のお楽しみに。
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なお、ロボットと言えば、何かしら大きなものを想像されるかもしれませんが、実物は1/35スケールで100円ライターより小さい位です。
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では、次回から実際の製作を紹介して行きます。

2020年1月16日 (木)

訃報・青山京子さん

元女優の青山京子さんが亡くなられたことを、本日のニュース等で知りました。折しも、先般のブログでお伝えしましたように、スバル360のカタログで青山京子さんのことを存じ上げ、情景でフィギュアを製作した矢先のことで、大変残念に思います。私ごときで恐縮ですが、慎んでご冥福をお祈り申し上げます。
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イッコー・イオタで作るミウラJ その11 ・車高調整

まずフロントタイヤですが、そのまま装着すると、ご覧のように向こうが見えるほどの隙間ができます。前作レストア編で述べたように、元々モーターライズゆえに走行に支障を来たさないよう十分なクリアランス確保が必要だったためと思われます。
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そこで、前作同様、アッパーアームが付いている電池ボックスを底上げすることで車高を下げることにします。ただし今回は、ホイールが前作で使用したキットのものより小径で、そのままではロワアームに引っ掛かって入らないので、シャーシ一体のロワアームをプラリペアで補強の上、下面を中心に削ります。
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結果、フロントの車高はこの程度まで下がりました。
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次にリアタイヤですが、そのまま取り付けるとこのようになります。この写真だけを見ると、このままでも良さそうですが、フロントの車高を下げたことで少しヒップアップ気味になるので、リアも下げます。
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製作の趣旨から、キャンバーを付けるなどの凝ったことはしないので、車軸の穴を上に開けるだけの簡単な加工で済むと高をくくっていたのですが、いざタイヤを取り付けようとすると、シャーシのタイヤハウス上面に当たって入らないことが判明したので、これを削り取りました。上の写真が元のキットの状態、下が加工したものです。
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何とかリアも下がりました。
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全体はこんな感じです。
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もちろん、ステアも可能です。
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次回は、イマイチよく分からず、どう処理しようか悩む室内です。

2020年1月15日 (水)

イッコー・イオタで作るミウラJ その10 ・タイヤの選択、ホイールの加工

キットのタイヤ、ホイールは、径やトレッドが全く異なるので使えません。そこで、まずタイヤですが、使用したのはモデルファクトリーヒロ製の「70年代プロトタイプカー用タイヤセット」です。実際、ミウラJは70年代のレースシーンを想定して作られた車ですから、チョイスするタイヤとしてふさわしいとも言えるでしょう。特にリアタイヤ(写真右)は素晴らしく、径が小さくてこれだけ太いものは中々ないと思います。
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次に、ホイールですが、実車のそれはカンパニョーロ製だそうで、ディスク部分に多数のフィンが付いたこの車専用のものです。したがって、そのままで流用できるものはないので、何かをベースに製作するより他にありません。
今回ベースに使用したのは、オレンジウィールズ・ユーロスタイル(写真左)で、ディスクの真ん中にコトブキヤのモデリングサポートグッズの円型パーツ(写真中)を取り付けます。センターのロックナット(写真右)は、昨年末に本ブログで紹介した「DIY ROBO・萬丸(まんまる)」に入っているパーツです。金属ナットなどと違って精密さには欠けますが、むしろイッコーの製品らしさが出ると思い、使うことにしました。
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ディスクのフィンは、何とプラ棒を一本一本接着して再現することにしました。ディスク外周のスリットに合わせたので、スリットの数だけプラ棒を付ける必要があります。当然、4輪ともです。本当に面倒臭くて、他の製作作業の合間にボチボチと進めました。
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作業の順番が分かるように並べた写真がこちらです。左から、まずディスクの真ん中に円型パーツを付け、そこから放射状にプラ棒を接着し、はみ出た外側をカットして整えます。
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リムは、同じオレンジウィールズのMスタイルのものを使用しました。というのは、ユーロスタイルに付属するリムの内側には、実車のホイールには見当たらないボルトのモールドがあるからです。ちなみに、このMスタイルのリムは、以前ホンダCR-X 1.3を製作した時の余ったパーツです。リアの方は、プラ板でさらに深リム化しています。
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完成したフロントホイールです。裏側(写真右)には、車軸受けにポリキャップを埋め、抜けないように円型パーツでカバーをしました。
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太いタイヤに合わせて深リム化したリアホイールです。リムを延長した裏側の部分は、プラリペアで補強しています。
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リアホイール裏側の車軸受けは、左右で少し長さが異なります。これは、シャーシの右側のタイヤハウスが、モーターライズ走行用のギアを収めるようにオフセットされているからで、長い方が右側ということになります。
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ホイールにタイヤを履かせてみました。センターのロックナットは塗装後に取り付けます。あらためて眺めると、ディスクのフィンの数などは実車より多いような感じがしますが、まあ、今回は雰囲気重視ということで、これでよしとします。
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次回は、これらタイヤを使ってシャーシの車高調整を行います。

2020年1月13日 (月)

イッコー・イオタで作るミウラJ その9・サイドシルの加工

ミウラJを再開します。ボディは、ひとまずサフを吹き終えた状態で止め、シャーシ、足回りに移ります。

キットのシャーシを横から見たところです。サイドシルの上に前後2本の爪があります。
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この爪が曲者で、ボディを被せてみると、はめ込んだサイドの反対側は、このように爪がはみ出します。無論、ボディはプラなので押し込めば済むのですが、その分、サイドが広がってしまい、せっかく下部を削って絞り込ませたのが無駄になってしまうわけです。
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そこで、この爪を取り払い、ややはみ出し気味となるサイドシル上側を削るために内側にプラ棒を貼ります。合わせて、リア側のインテークはミウラJにはないので削り取るとともに、前回紹介したリアカウル前端が収まるスペースを設けました。
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さらに、サイドシルの前後には、リベット打ちされた補強板のようなものが見受けられますので、これをプラ棒で再現します。
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特に前方の補強板は、実車写真(雑誌のコピーから一部抜粋)を見るとフロントカウルに斜めに食い込むような形になっているようです。
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実車写真とは反対のサイドになりますが、こんな感じでしょうか。隙間が開いているのは、ボディを軽く被せただけだからです。
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続いてシャーシには、車高調整のための加工が必要となりますが、その前に、次回はタイヤとホイールを紹介します。

2020年1月12日 (日)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) 最終回

今回使用した展示ベースは、最近すっかり店頭で見かけなくなったアリイの本シリーズ専用ディスプレイケースです。かろうじて舗装されていると思われる地面には、擦り合わせて荒らした100番の布ヤスリを用い、黄色のラインを引き、バフや薄いグレーを吹いてウエザリングを施した後、ベースに貼り付けます。
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あとは、スバル360とフィギュアを所定の位置に取り付けて完成です。カタログ表紙と同じような角度で見るとこんな感じでしょうか。
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当たり前ですが、立体の情景なので、表紙とは別の角度から見ることもできます。
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製作記は以上ですが、今回この作品を製作したのを機に、今後、別の年式のスバル360の情景を製作するとともに、このキットについて、もっと深掘りした製作記を書いてみたいと思っています。
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次回、「イッコー・イオタで作るミウラJ」を再開します。

2020年1月11日 (土)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その5・デメキンの製作 ③タイヤ・ホイール等~完成

ホイールカバーは、キットの中期型以降のものとは形状が異なります。そこで、リムを含むホイール本体は同シリーズのスズキフロンテのものを使用し、別途カバーを自作することにしました。まず、プレスラインのモールドを再現した原型を作ります。コトブキヤのモデリングサポートグッズから適当な径のものをチョイスして組み合わせたものです。
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原型を「型取くん」に押し付け、型を製作します。
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UVレジンを型に流し込んで複製したものがこれです。使うのはもちろん4つですが、出来の良いものを選べるように予備を製作しておきました。
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タイヤ、ホイールの完成写真です。この時期のホイールはボディと同色に塗装されているようで、リムにそれが現われます。ホイールカバーに覗くタイヤバルブは、伸ばしランナーで製作したものです。タイヤは、キット付属のものではなく、贅沢にも1/43用でトレッドが狭い旧車のものを使用しました。表に「DUNLOP」のロゴまで入っていますが、ホワイトリボン塗装の邪魔になるので裏返しています。
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前後バンパーは、中央に溝があり、そこにアルミ製のバンパーベルト(59年後期型以降はスコッチライトテープ)が通る構造になっています。H型のプラ棒を車体のラインに合わせて曲げ、上下にプラ板を貼りバンパーの形に削ります。黒に塗装した後、溝に金属線を取り付けます。
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ドアノブは、アルミパイプを削り出したものです。
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その他、前後のライト、マーカー類を製作したのですが、加工途中の写真が見当たらないので、完成写真でご覧ください。三角窓の支柱は洋白の帯棒、ワイパーは1/43のエッチングパーツです。また、キットのままでは車高が低すぎるので、シャーシ裏を加工し、相当程度上げています。それゆえによく見える前輪のタイロッドも金属線で再現しました。
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次回、ベースを製作して情景の完成です。

2020年1月10日 (金)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その4・デメキンの製作 ②室内

キットのステアリングホイールは、樹脂製2本スポークの61年型以降の仕様で、それ以前は金属の3本スポークとなります。キットのパーツを利用し、スポークを金属線に置き換えるのですが、最初に全てのスポークを取り除いてホイールとホーンを切り離してしまうと加工が難しくなるので、順番に1本ずつ張って行きます。まず、ピンバイスでホイールを貫通し、ホーンに穴を開けます。
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開けた穴に金属線を取り付けます。
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キットのスポークをカットし、1本目と同様に2本目の金属線を取り付けます。
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最後に3本目を取り付けて、張り替え完了です。あとは、はみ出した部分を整形しておきます。
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完成したインパネの写真です。加工途中の写真を撮り忘れましたが、メーター回りなどインパネの形状もかなり改造しています。
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こちらも完成写真になりますが、シートはキットのパーツを使用して、前後ともセパレートタイプに改造しています。なお、内張ですが、初期のスバルにはキットのような内張はなく、骨格にグローブボックスのようなものが前部に付いたタイプとなっています。写真はないのですが、キットの内張部分をカットしグローブボックス付の骨格をボディ側に直接取り付けています。
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後部シートの位置が、キットのままでは前に寄りすぎています。シート全体がホイールハウスの前に付くような形になっているのが原因で、シートの両サイドを削って実車同様にホイールハウスの一部が覗くようにして後ろにずらせました。
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前回のブログで、今回で「スバル360の完成」と説明しましたが、次回、タイヤ・ホイールなどの製作をもって完成に漕ぎつけます。

2020年1月 9日 (木)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その3・デメキンの製作 ①ボディ

ブログの更新が滞りがちですが、実はパソコンを買い替えたため、データの移行などに時間を割かれたのが一因です。これまでのOSがウインドウズ7だったので、サポートが切れる直前の駆け込み購入です。
 
さて今回は、アリイ1/32のスバル360を「デメキン」と称される初期型に改造します。キットは65年ごろの中期型を再現しており、初期型との最大の相違点はヘッドライト回りです。また、このキットのホディはスバル360らしい丸みがやや足りないので、その辺りも修正しつつ製作します。

まず、フロントフード下部の形状を修正します。写真の右がキットの状態、左が削り込んだものです。
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ノーズ先端は、もう少し丸みがあり、下端が絞り込まれた形状をしているので、ボリュームを増す加工を施します。いきなりパテを盛っての成形は難しいので、ガイドとなるプラ棒を貼り付け、その隙間をパテで埋めることにしました。この辺りの加工は、キットの中期型を製作する場合でも有効でしょう。
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加工途中の写真がないのですが、バンパーをカットした上でノーズに丸みを付けます。ライト回りには、WAVEの「プラ=パイプ(グレー)」の肉薄7.0mmを埋め込みます。このパイプの内径が6.2mmで、6.0mmのパイプで製作するライトがちょうど収まります。パイプは、キットの元のライト穴より少し下で、ボディの真ん中寄りになるように、ボディ側を削って取り付けます。
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フロントフードの六連星のエンブレムですが、キットのデカールは使わず、というか色が黄色で使えないので、極細のプラ棒などを使って製作しました。十字の星の部分はプラのメッシュをカットしたものです。少々オーバースケール気味ですが、立体感があって良いと思います。
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リアサイドのインテークは、ボディに直接スリットが入った中期型以降とは形状が異なります。ボディのスリット部分を切り抜き、WAVEの「モールド・プレート(1)」をカットしたものをボディ裏側から取り付けます。
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リアフードの冷却口は、キットのような2段のスリットではなく、横型ルーバーが付きます。これの再現にも「モールド・プレート(1)」を使用するのですが、隙間をより深く削り込んでいます。もちろん、事前にリアフードのスリットはパテで埋めておきます。
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写真では分かりにくいかもしれませんが、フロントだけでなく、サイド下部からリアフェンダーにかけて、相当程度削り込んで丸みを付けました。あとは、三角窓の基部の製作、リアのホイールアーチ前部に付く飛び石防止用オーナメントの形状変更などの細部を加工して、ボディは完成です。
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ボディの基本塗装を行った状態です。この後、中研ぎをして半ツヤクリアを吹きます。フロントフード下の「SUBARU」のオーナメントなどは、自家製デカールです。
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次回は、室内とバンパーを含むシャーシ、タイヤ・ホイールなどを加工して、スバル360の完成です。

2020年1月 5日 (日)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その2・青山京子さんと少年のフィギュア

青山京子さんという女優の存在を知ったのは、このカタログによってです。私が生まれた数年後には、かの小林旭さんと結婚して引退されたので、現役のころのご活躍は全く知りません。無名の女性モデルなどであれば、フィギュアを製作する方も気が楽だったのですが、往年の名女優と知って少し気が引けたのも事実です。

とは言え、もう出来上がっているので、説明を続けます。フィギュアのベースは、マスターボックスの女性と子供のもので、まずは身長を伸ばしたり、大体のポーズを決めたりします。
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フィギュアの製作は、実際にはスバル360の製作と平行して行います。実物写真をよく見て、人物のポーズはもちろん、車体との位置関係など細かく調整する必要があるからです。フィギュアの製作途中でも、割とこまめに車体と並べて具合を見ました。
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ポーズなどが決まったら、個々のフィギュアの製作を進めます。パンツスタイルはエポキシパテを盛って再現します。
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カタログ写真では今一つよく分からなかったのが髪型です。当時の女性の流行りの髪形がどんなものかをネットで調べてみたところ、昭和30年代の「婦人画報」などで「ローマの休日」のオードリー・ヘプバーンのような髪型が紹介されていましたので、これを参考にパテで成形しました。
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ベースのフィギュアの顔は彫の深い外国人なので、おでこや頬などを削ります。女優さんだからというわけでもないのですが、鼻筋は通っている方がよいと思い、ほぼそのままとしました。
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塗装途中の写真がなかったので、いきなり完成写真です。使用した塗料は、いつもの水性ファレホです。そっくりさんになったかどうかは微妙ですが、私にはこれが限界です。
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少年の方は、ベースのものから脚、胴を伸ばして身長を高くしています。
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こちらも塗装して完成です。
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二体のフィギュアを並べてみました。それにしても、以前は兵士ばっかり製作していたのに、最近はもっぱら女性が中心という状況です。
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ちなみに、カタログには他のカットも載っており、塗装の際には大いに参考になりました。
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次回は、スバル360の改造です。

2020年1月 2日 (木)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その1・プロローグ

明けましておめでとうございます。新年一発目は、いろいろ考えたのですが、これにしました。モデル自体は昨年末に完成し、模型博覧会に出品したものです。
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モチーフは、58年後期型のカタログ表紙です。女性のモデルは、当時の人気女優・青山京子さん。撮影された場所は、地方空港の滑走路のような感じですが、よく分かりません。
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使用したキットは、アリイ(旧LS)1/32のスバル360ですが、当然のことながら初期型のデメキンタイプに改造する必要があります。フィギュアは、マスターボックス(MB)のものをベースに使用しました。

では、次回、青山京子さんと少年のフィギュアから始めます。

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