イッコー・イオタで作るミウラJ その13 ・室内、エンジンの加工
キットのバスタブ型室内の後部には、シャーシのフレームに囲まれたエンジン上部が一体で再現されています。ただし、このエンジン部分は、リアカウルを開閉できるようにでもしない限り、完成後はほぼ100%見えなくなります。これでは、せっかく丁寧に塗装をしても甲斐がなく、ましてやディティールアップなんて論外です。
一方、実車では、カウルを開けなくてもエンジンの一部が見える箇所があります。シート側からリアガラス越しに、キャブレターの頭などが見えているのです。ところがこのキットの場合、透明であるはずのガラス部分がすべてプラとなっているので、それを遮っているのです。
この台形の部分は、本来はその形のフレームを残して透明なのですが、まさに「黒い壁」となり、後ろのエンジンは全く見えません。そこで、正確を期するのであれば、この部分を透明プラ板に置き換えるということになるのでしょうか、ここはあっさりと取り除くだけにしました。完成後、直に見える箇所ではなく、フロントやサイドウインドウ越しに覗くことになるので、それで十分だと判断したのです。
ご覧のように、「黒い壁」がエンジン部分とバスタブを繋ぐ役割を果たしています。ということは、これをカットすれば、当然エンジンは分離することになります。
壁を取り除いた後に、エンジンを元の位置に接着するために、カット前にL字型のプラ棒で「接着しろ」を設けました。プラ棒が透明パーツなのは、これしかなかっただけで特に意味はありません。もっとも、カット後に、キットのままだとエンジンの位置が高すぎることが判明したため、接着しろも修正しています。
カットしたエンジン部分です。リアルさ云々を言うレベルのものでないので、基本的にそのまま使用することにします。ただし、あまりにも平面的、すなわちキャブとエンジンブロックの高さがほぼ同じなので、ここだけ手を加えることにします。
プラパイプをカットして製作した「なんちゃってキャブレター」を装着してみました。
細かいパーツ類ですが、ステアリングホイール(写真左)は、フジミのミニクーパー・レーシングから流用したもの、ドライバーズシートのヘッドレスト(写真中央)はキットのものです。写真左の筒のようなパーツは、シフトゲート前部に設置された消火器のお尻の部分です。製作した消火器が一部だけというのは、前回述べたように、奥行のスペースがないことからです。
以上で、基本的な加工は完了したので、仮組みしてみました。内張には何のモールドもありませんが、幸いミウラJの場合、内張は剥がされ、板状のものがリベット打ちで張り付けられたような感じなので、このままで良しとします。なお、写真にはありませんが、シフトノブ、サイドブレーキはキットのものを使用します。
シートについては、こんな簡素なものにも関わらず、ご丁寧に助手席側にも装着されていたようです。これは、当時のFIAのレギュレーションによるもの、すなわち「2座席」という要件を満たすためだと思われます。
次回は、外装の各種パーツ類の製作を予定しています。
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