スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その3 ・ 素組み完成品
まずは、今回の素組み完成品の製作概要を説明します。使用したパーツは、すべてキットの箱の中に入っているものだけで、他キットから流用したパーツや、ディティールアップパーツの類は一切使用していません。バリ取りやヒケ処理などの基本工作は相応に行いましたが、塗装指示も含め、組立説明書通りに製作したものです。唯一、加工らしい加工と言えば、前後のバンパーがボディと一体となっているため、境目にスジ彫りを施し、バンパー両端の内側をえぐるように削って、別パーツ感を出したことぐらいです。なお、ボディの塗装は、この車の設定色「ミストブラウン」をイメージし、半つやクリアで仕上げています。
では、具体的に見て行きましょう。まず何と言っても、最大の問題は車高の低さです。全体のイメージを損なう根本原因となっており、ここは何としても修正したいところです。それにしても、車の模型では、車高が高くて修正を余儀なくされることは結構ありますが、これはその真逆ですね。
全体のイメージについてさらに言及すると、この車の特徴である「丸み」が足りないように思います。型抜きの都合でしょうか、サイド下部の絞り込みがなく、末広がりになっている印象すらあります。バンパーと一体となった前後もしかりです。しかもリアフェンダーが角張りすぎて、丸みのなさに拍車をかけています。この際、バンパーを取り去って削り込むとよいでしょう。
真正面から見たところです。赤丸で示したフロントフード下部の曲線ラインが実車に比べ緩慢になっています。もう少し曲線をきつくして深く彫り込めば、より実車らしくなると思います。加えて、フード下のアンダーパネルをもう少しだけ膨らませた方がよいでしょう。この辺りは、初期型(デメキン)を製作した時にも説明しました。顔の表情に例えると、口をつぐんでいるので、もっとにこやかにしましょう、という感じでしょうか。
今度は真後ろから。何と言ってもテールライトが下がりすぎということに尽きるでしょう。実際はもう少し上に付くのですが、ボディのこの箇所に、接着位置を指示するがごとく窪みがあるので、ここに取り付けざるを得ません。よって修正時には、この窪みを埋めるとともに、外向き加減のテールライトの角度調整も必要となります。
細かい所に目を移すと、問題なのがフロントフードのエンブレムです。楕円のモールドの上にデカールを貼る形ですが、そのデカールの色をなぜ黄色にしたのか全く理解できません。通常は銀色のところ、デラックスなどに付くゴールドメッキのエンブレムを模したとも考えられるのですが、それならゴールドにしてよと言いたくなります。ちなみにLS時代のデカールでは、リアのオーナメント類と同じ銀色でした。
ここからは、キットそのものの欠点ではなく、作り手がどこまでこだわるか、ということになります。ヘッドライトやウインカーのレンズは、透明パーツを直に取り付けるようになっていますが、それぞれにリフレクターを設けた方が、実感が出ます。フェンダーミラーも、ステーを切り離して金属線に換えるとリアルでしょう。ワイパーは、細いプラ棒で作り直すか、いっそのことエッチングパーツを持ってくるという手もあります。サイドウインドウの三角窓は、ガラス部分がなく、帯状の棒が立っているだけなので、ここも手を加えたいところです。その下のドアノブも太すぎる感じなので、アルミパイプなどで別パーツ化するとよいでしょう。
以上、なんだかんだ言ってきましたが、それでも、このキットの素性は決して悪くないことを、あらためて認識させられました。というのも、手を加えれば、僅か10センチ足らずのサイズながら、立派なスバル360のモデルが出来上がると思えるからです。
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