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2020年4月

2020年4月25日 (土)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その15 ・ ホワイトリボン・・・?

前回説明した悪戦苦闘の要因はこれです。デラックス以上のグレードが履いているホワイトリボンタイヤです。って、これはホワイトウォールやないかい。先にツッコミを入れておきます。
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混同されることもありますが、一般的にホワイトリボンは、タイヤのサイドウォールに細いラインが入ったもので、対してホワイトウォールは、サイドウォール全体あるいはリムに接したビード部から半分位まで塗装されたものを言うようです。実車が履いているタイヤは、ホワイトリボンの方です。ちなみに初期型(デメキン)から64年式あたりまではホワイトウォールです。
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(67年式カタログより)

当然、これを再現するつもりで、タイヤをマスキングし、ホワイトサフで塗装するのがいつものやり方です。「その12」で述べたように、タイヤこそキット付属のものを使用せず、コジマ製に交換していますが、今回もいつものやり方で仕上げる予定でした。ところが・・・。まずマスキングテープがタイヤに貼れないのです。いくら押さえてもツルツルと滑り、粘着力が全く効きません。この時点でいやな予感はしたのですが、ならばということで、このようなテンプレートをプラ板で作ってみました。
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テンプレートでタイヤを覆ってホワイトサフを吹いたのですが、今度はそのサフが全く定着しません。指で軽く擦るだけで、跡形もなく消えてしまいます。ラッカーの白もしかりで、やってはいませんが他の塗料でも同じ結果になると思います。そこで今回、以前から一度試してみたかったものを使うことにしました。それがこの「染めQ」で、通販で購入しました。
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残念ながら結果は同じでした。専門的なことはよく分かりませんが、コジマ製タイヤのゴムは、どんな塗料も受け付けない材質のようです。せっかく買った「染めQ」なので、試しにキットのタイヤに使ってみると、塗料はしっかりと定着してくれて、柔軟なゴムでも簡単に剥がれることはなさそうです。ただ、通常の模型用のマスキングテープを使用した場合、おそらく染み込む力が強くてそれが作用するのか、テープを剥がした後に粘着剤が残ります。したがって、マスキングする場合、テープをフィルム状のものにするか、セロテープを使用すればよいと思われます。

塗装がだめなら、ということで、今度はデカールで再現できないかを試みました。使用したのは、A-ONEの「デカールシール・白地タイプ」です。通常は何かを印刷して使用するのですが、印刷しなければただの白地のデカールで、これをリング状にカットして貼るということです。白地のデカールは他にもありますが、これを使用したのには理由があります。このデカールは、同社からタトゥーシールとして販売されているものと基本的に同じなので、柔軟性があり、ゴム面にも馴染むことが期待できるからです。
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まず、キット付属のタイヤで試してみました。試しということもあってラインが少し太めですが、しっかりと定着します。ゴムを多少変形させても、剥がれたり、ヒビが入ったりといったことはありません。
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しかし、コジマ製タイヤには通用しませんでした。そもそもデカールが全く貼り着きません。他にも、ハセガワの「ホワイトフィニッシュ」なども試しましたが、これもだめでした。最後の手段として、リング状にカットしたプラシート(0.1ミリ厚)を接着するというのも試しましたが、どんな接着剤を使っても綺麗に剥がれてしまいます。
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この段階で考えたのが、今回のタイヤはホワイトリボンなしとするか、太さよりホワイトリボンを優先して、キット付属のものに戻すかということでした。しかし、使用感を表現した情景ならいざ知らず、カタログモデルでスタンダードが履く無地のタイヤはないだろう、さりとて、せっかく細身のタイヤがあるのにそれを使わないのは、と悩みました。

その時、最後の手段であったプラシートを接着する方法において、直接タイヤには無理でも、ホイールのリム部分には接着可能だということに気づいたのです。しかし、それは同時にホワイトリボンを捨て、ホワイトウォールにするということを意味します。まさしく次善の策を選択した結果、冒頭の写真のものができました。いずれにしても、相応に時間を費やした理由がお分かりいただけたと思います。

次回は、完成品のお披露目を予定しています。

2020年4月19日 (日)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その14 ・ 内外装の塗装

更新が滞って、気づけばもう4月後半になっていました。他の作品を並行して製作しているのも遅くなった要因ですが、実はこの1~2週間、とあるパーツの処理に大変手間取り、悪戦苦闘していたのです。それに関しては次回で詳述するとして、今回は内外装の塗装について紹介します。

ボディカラーについては、オーソドックスなアイボリーと少し迷ったのですが、本作のスーパーデラックスにのみ設定されている「サテンブロンズ」にしました。おそらくスバル360で唯一のメタリック色で、一般的にはシャンパンゴールドなどと称されている色です。
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ただ、実車の写真などでは、ほとんどシルバーに見えたり、ガンメタのような感じだったりと、色味がよく分かりません。このモデルの写真でもシルバーが強く出ており、実物はもう少しゴールド掛かっています。ちなみに使用した塗料は、タミヤラッカーのシャンパンゴールドをベースに、マイカシルバーを極少量混ぜたものです。
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ルーフはもちろん白です。多少のタッチアップは必要ですが、まずまず綺麗に塗り分けられました。この後、リアのオーナメントなどの自作デカールを貼り、クリアを吹いて仕上げてゆきます。
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室内に移ります。このボディカラーのシートや内張の設定色は、一見黒に見えるような濃いこげ茶色です。ベース色を塗装後、エナメルのフラットブラックでウォッシングしました。
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アルミパイプで製作したサイドブレーキの頭には、伸ばしランナーを埋めてプッシュボタンを再現しています。なお、この年式ではOTでも、副変速機は付きません。
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床は、センターコンソールをまたいで濃い赤色のフロアカーペットで覆われています。1/24であれば、布地のものを貼るのもありですが、1/32ではオーバースケールなので、塗装で再現します。ただし、塗装法は少し変わっていて、エアブラシの向きを塗装する面に対して斜めに、少し離して吹いて表面をざらつかせます。ボディなどを塗装した際に、内側がざらついてしまうことがよくありますが、それを意図的にやるわけです。
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インパネはこんな感じです。加工時(その11)にも述べたように、上面は黒のパッドで覆われています。
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メーターは、デカールを貼り付け後に、表面にエナメルのクリアを塗っています。あらためてキットを素組みしたもの(下の写真)と比べてみました。
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あと、細かいパーツですが、ルームミラーのステーを金属線に換えました。
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次回は、冒頭に述べたように、思わぬ落とし穴に苦労させられた話です。

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