第62回 静岡ホビーショー・モデラーズクラブ合同作品展 最終回
最後にどうしても紹介したい艦船模型の作品があります。
1/700の戦艦・榛名ですが、喫水線上の船体を上下に張り合わせ、まるで「逆さ富士」のごとく、同じ艦の新造時と最終時の姿を見せる趣向です。もちろん、昨今のトレンドであるエッチングパーツを使用した精密再現にも抜かりがありません。
ちなみに、作品の写真を上下逆さまにしてみました。大正から太平洋戦争末期まで約30年間にわたり活躍した戦艦ゆえに、その間の近代化改装によってその姿は大きく変化しており、それが一目で分かります。
こちらは縦に真っ二つに分割された1/700の重巡・摩耶で、後ろの鏡の映り込みを見ていただくと分かるように、内部も再現されています。
で、残りの半分はというと、沈没して海底に眠る姿を、こちらも内部付きで再現されています。艦のはかない生涯、そして今もそこに眠っている事実を教えてくれ、何を感じるかを見る側に委ねているように思います。まさに、心を揺さぶる作品と言えるのではないでしょうか。
以上で今回の作品展の報告は終了です。振り返ると、取り上げたどの作品も、作者による何がしかの意図や伝えたいメッセージが込められたようなものばかりであることに、あらためて気付きました。今後も、このような素晴らしい作品に出会えることを期待して、本編を終了いたします。
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