クイック・アバルトA112

2019年3月29日 (金)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) 最終回

モデル自体は「オートモデラーの集い IN 四国」の前日に完成し、この場でお披露目となりましたが、製作記の方もきちんとけりをつけておきたいと思います。
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まず、研ぎ出しや細部塗装が終了した状態のボディです。これに細かい外装パーツを取り付けて行きます。
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アンテナは、通常のルーフ上ではなく、左Aピラーに付きますが、洋白線にアルミパイプで基部を製作しています。サイドウインカーは、モールドを削り落とし、裏側にタバコの銀紙を貼った透明プラ板で自作したものを付けました。
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ワイパーも、通常と角度が異なるのですが、キットのアーム部分のみ使用し、ブレードは0.3ミリと0.5ミリのプラ角棒で製作しました。
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鍵穴は、0.8ミリ径のアルミパイプで再現しています。なお、キットには、ドアノブに鍵穴らしきモールドがありますが、前後(というか左右)が逆になっていますので、これからこのキットを製作される方はご注意ください。正しくは車の前方側です。
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独特のスポイラーと、例の4本出しマフラー(デュアルEXシステム)が顔を覗かせるリアスタイルです。ナンバープレート(前後とも)には、キットのデカールは使わず、クイックトレーディングさんのツイッターのロゴを印刷したものを使用しました。
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展示ベース・ケースは、WAVET・ケース(M)です。今回のネームプレートも、A-oneの「手作りステッカー・下地が透けないタイプ」に印刷したもので、クイックトレーディングさんのロゴをイメージしてイタリアの国旗をあしらったデザインにしました。
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最初の回でも触れた通り、この車は東京・板橋区にあるチューニング・ショップ、クイックトレーディングさんが1984年に発表したコンプリートカーです。纏っているエアロパーツは、今の目で見ても十分カッコいいと思いますが、本当に凄いのは心臓部です。
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通常のA112アバルトが70PS(ノーマルは48PS)のところ、ターボ・チューンによって100PSを叩き出したというのです。私ごときでは、この車の本当の走りっぷりが想像できないというのが正直なところです。
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当時、それまでは実車においてホットハッチ車にさほど関心があったわけではなかったのですが、この車を知って俄然、興味が湧いたのを覚えています。後年、免許を取った時の最初のマイカーの候補に、シャレード・デ・トマソ・ターボなんかを上げていたのがその証かもしれません。

2019年3月21日 (木)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その9・シャーシの完成

何と気付けば、前回の更新から1か月も経っていました。これほど間が空いたのは初めてです。もっとも製作の方はそれなりに進んでいて、室内や足回りは完成し、ボディの研ぎ出しも完了しています。では、まずは室内から。
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前回紹介した加工を除き、基本的にキットのままですが、前後ともシートベルトのバックル部分を再現してみました。シートベルト本体はオミットしています。写真は、フロントシート取り付け前の状態です。CR-Xの時もそうですが、これだけで室内の密度感が増します。
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シフトノブは、虫ピンとプラ棒で製作したものです。
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ドア内貼りですが、キットはリアシート座面の電池ボックスに当たる部分がカットされており、座面を下げたことでこの部分が見えてしまうので、プラ板で埋めました。
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次に、シャーシ裏側です。
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見せ所は、この車の特徴である「デュアルEXシステム」と銘打った4本出しのマフラーです。
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クイックトレーディングさんの当時の広告写真で、マフラー自体の形状はおよそ理解できるのですが・・・・
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エキゾーストパイプなどの取回しがよく分からないので、キットのものを適当に加工しつつ、途中で途切れた状態で収めました。写真手前が、加工前のキットのエキパイ、マフラーです。
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次回は、いよいよボディの完成です。

2019年2月22日 (金)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その8・室内の製作

室内は、実車に準じて基本的にオリジナルのままですが、インパネの左下にターボ用のブースト計と排気管温度計が付いているので、コトブキヤのモデリングサポートグッズを使用して再現しました。
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前後のシートをシャーシに仮組みした状態ですが、リアシートが高すぎるのが分かると思います。

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これは、日東時代はこの部分がモーターライズ用の単三電池を収納するスペースだったことによるものです。現行のフジミ版でも、もはや必要がないのに開閉できる仕様となっています。
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ちなみに、日東時代の組立説明書です。
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リアシートを低くするために、座面の下部をカットするとともに、背もたれの基部をリアゲート床面から切り離し、こちらも下部を削り落としました。
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真横から見ると、加工前の写真(上)と比べ、リアシートが相当程度下がっているのが写真(下)で分かります。
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リアシートを寝かせた時の、ラゲッジスペースとの不自然な段差もほとんどなくなりました。
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2019年2月19日 (火)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その7・足回りの製作

ボディの方は、塗装、デカール貼りが完了し、研ぎ出しのためのクリア塗装の乾燥待ちとなりましたので、この間にシャーシ、室内等を仕上げて行きます。

まず足回りですが、いつもこの手の改造で悩まされるのがタイヤとホイールです。今回は実車が13インチ(キットは12インチ)ということで、タイヤは同じフジミ1/24のスズキアルトから持ってくることにしました(同社の旧ミニなどと共通のものです)。クロモドラのマグネシウムホイールは、自作する自信も根性もないので、デザインは少し異なりますが、キットのものを流用してクロモドラ風とします。写真左がアルトワークス用、右がキット付属のホイールです。
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アルト用はディスクをくり抜きリムのみとし、キットの方はリムおよびタイヤをはめ込む外周の凸部を削り取ります。ついでにメッキを下地ごと落としておきます。
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アルト用のリムにキットのホイールをはめ、リムのウエル(内側)部分を0.5ミリ厚のプラ板を帯状に切ったものを貼って再現しました。
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次に車高を落とします。まず前輪側ですが、キットは、ブレーキと一体となったショックアブソーバーをシャーシのホイールハウス上部の穴に差し、エンジンと一体のロワアームで支えるという構造です。
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ショック上部の差し込み部分を細く削り、ロワアームの穴をプラパイプで底上げすることで、ショックが上がり、車高が下がることになります。
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ただし、このままでは、タイヤだけが上がり、ロワアームの下部が地面に擦るようなことになります。写真は都合で上下逆さまですが、タイヤとロワアームの位置関係が分かると思います。
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そこで、ロワアームのプラパイプ周囲を補強の上、下部を削ります。写真は、こちらも上下逆さまになっていますが、左がキットの元の状態で、右が加工後です。
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さらに、トレッド幅を広くするため、ホイール内側にプラパイプをスペーサーとして取り付けます。トレッドを広げた分、キットの車軸は相対的に短くなって使えませんので、プラ棒とワッシャーで自作しました。
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前輪を構成するパーツを仮組みしてみました。ショックを上げた分、タイロッドパーツの位置も上がるので、シャーシ側の爪部分をプラ板で延長しました。これで、車高を下げたにも関わらず、まったく問題なくステアします。
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続いて後輪側ですが、こちらは簡単で、基本的にシャーシに穴を開けるだけです。上の写真がキットの元の状態で、下が加工後です。
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シャフトを受ける板バネのパーツを、側面を切り取って直付けしました。
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これで、前後とも車高を下げることができました。写真にはありませんが、もちろんこれらの作業は、ボディをシャーシに被せてバランスを見ながら行ったことは言うまでもありません。

2019年1月23日 (水)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その6・リアスポイラーの取り付け等

その4で製作したリアスポイラーをボディに取り付けました。これもフロントスポイラーと同様、ボディとのバランスなどをみて形状を修正しています。リアバンパーの方は差し込んであるだけで、塗装後に接着します。
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前後のオーバーフェンダーを留めるボルト(リベット)を再現しました。いつもはリベットパーツや極細のプラ棒を埋め込んで表現するのですが、今回初めてHIQPARTSのスチールボール(0.5mm)を使用してみました。ピンバイスで開けた同径の穴に、ボールを埋めるように接着することで、リベットを表現するというものです。
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実車のリベットの数について、正直よく分かりませんが、資料写真では、どう見ても一つのフェンダーに3箇所しか打たれていないようなのです。また、実寸ではこれで正しいのかもしれませんが、ほとんど見えず、モデルとしてはもう少し大きめ(0.7mm)でもよかったかもしれません。
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左右のフロントワイパーの横にウインドウ・ウォッシャーを取り付けるための穴を開けます。また、アンテナはキットのようにルーフ上ではなく、左のAピラーに沿って付くようなので、ピラー根元に取り付け用の穴を開けました。最後に、各部のスジ彫りをチゼル等で深く彫り直しておきます。
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次は、ボディ全体にサフを吹き、下地を整えます。

 

 

2019年1月19日 (土)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その5・フロントスポイラーの取り付け

先に製作したフロントスポイラーをボディに取り付け、バンパー上部からフロントフェンダーにかけてのモールドをプラ棒で再現します。
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スポイラーとフェンダーを一体化させるため、隙間を埋めるとともに、フェンダーに膨らみを持たせるために光硬化パテを盛ります。
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バンパー部分の先端がややボリューム不足に感じたので、帯状のプラ板を接着、このあとラッカーパテを盛ってで成形します。このようなことはスポイラーを単体で製作していた時点では中々分からないもので、ボディに取り付けてはじめて気づかされます。
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これで、フロントからリアフェンダーにかけての一連のエアロパーツ取り付けが完了しました。
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フロントグリルの下部を切り離しておきます。
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このあと、リアスポイラー等を取り付け、細部の加工を行います。

2019年1月13日 (日)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その4・サイドステップ等

サイドステップの加工ですが、前後オーバーフェンダーと繋がる部分まで滑らかに一体となるようパテを盛って成形します。下地にタミヤの光硬化パテを使用し、表面をラッカーの溶きパテで整えます。ドアパネル下部にプラ板で製作したサイドガードを取り付けますが、0.5ミリ厚だけではやや薄いので、0.3ミリ厚のプラ板を張り合わせて厚くしました。
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前回述べたように、ボリューム不足感のあるオーバーフェンダーをパテで膨らませます。フロント側はバンパー(スポイラー)を取り付けてからの成形となりますので、まずはリアのみです。サイドステップと同様に光硬化パテを使用しましたが、このパテは固まると半透明の黄色になりますので、下地のプラの黒色の透け具合で盛り上っている部分が分かると思います。
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その他の外装パーツですが、まず、テールゲートに通常より大型のスポイラーが付いています。やや複雑な形をしているようですが、実車写真を見ながら現物合わせで、プラ板、プラ棒で製作しました。
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リアバンパーですが、ネットなどで調べると、ナンバー付の大型のものも見受けられますが、今回参考としたスクランブル・カー・マガジン53号に掲載されていた実車は、ほとんどノーマルのバンパーと変わらない大きさのものが装着されています。両端がノーマルより少し大きいようなので、プラ板、パテで延長しました。
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次は、フロントフェンダー等の加工です。

2019年1月 8日 (火)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その3・オーバーフェンダーの加工

ボディにオーバーフェンダーとサイドステップを取り付けます。フェンダーは、キットに入っている大きい方、すなわちフロントスカートに対応した方を使用し、あらかじめボディに接着します。
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前後のオーバーフェンダーについて、張り出し幅はよいのですが、実車の写真等と比べると何となく厚みや膨らみが不足している感がありますので、パテを盛ることとし、そのためのガイドとして帯状のプラ板をフェンダー上下に張り付けました。
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サイドステップは、土台となるプラ棒にプラ板を貼り、パテ成形を行う前に前後フェンダーとの隙間にプラ棒を詰め込んでおきます。金型が古いからでしょうか、右後輪のオーバーフェンダーの前端が細くなったりしていますので、プラ板を足して修正しておきます。
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続きます。

2019年1月 7日 (月)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その2・フロントスポイラーの製作

最初に、この車の最大の特徴とも言えるバンパーと一体となったフロントスポイラーを製作しますが、一から作るのではなく、キットに入っているアバルト純正?のフロントスカートを利用しました。まずはバンパー下部にスリットの入ったパネルをはめるために切り抜きます。写真の左側が切り抜いた状態です。
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中央にスリットが入り、やや大きくなったバンパーを再現するため、上側にプラ板を組んで継ぎ足しました。やはりこういう時はWAVEの目盛り付プラシートが便利ですね。
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バンパー下部にプラ板で製作したスリット入りのパネルを取り付け、全体の形を整えて行きます。もちろん、ボディとのバランスをその都度見ながら加工します。
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フロントスポイラーと前輪のオーバーフェンダーは一体となっているため、バンパーやスポイラー両端のフェンダーにつながる部分はボディに取り付けてから調整するになりますが、それ以外はこの段階で完成させます。ヤスリ傷などの確認のためにサフを吹くと、案の定、パテを盛った部分に気泡が発生していますので、溶きパテで修正しておきます。
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再度、表面を整えて完成です。なお、資料が少なくて判然としませんが、フロントバンパー部分は上から見て一直線でも曲線でもなく、「くの字」になっているようなので、ボンネットの先端の角度と合わせておきました。
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次回はボディに移ります。

2019年1月 5日 (土)

アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ (フジミ1/24改造) その1・プロローグ

今年の一発目は迷ったのですが、やはり車です。ただし、他に製作しているものがあり、これまでは1作品完結を基本としましたが、今後は並行して時系列で様々なものを紹介することにします。

さて、今回の「アウトビアンキA112 クイックアバルトターボ」は、ランチアやアルファ・ロメオなどのイタリア車のチューニングで有名な東京のクイックトレーディングさんが、1980年代に発表したアウトビアンキA112ベースのコンプリートカーです。ファンの間では「クイックエアロ」の名で知られるように、エアロパーツはドレスアップキットとして販売されていました。(写真は、同車の特集も組まれたスクランブル・カー・マガジン53号に掲載された広告です。)
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今回製作するのは、同車の「1984年モデル」です。使用するキットは、フジミの1/24アウトビアンキA112アバルトで、これをベースにエアロパーツを中心に製作して行きます。
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このキットには、フロントバンパーやフェンダー、ホイールなどのオプションパーツが入っています。ご存じの方も多いと思いますが、元々は日東のキットで、ノーマル版と、レーシングと称してアバルト社純正パーツを付けたバージョンが別々に発売されていたものを、フジミが再販する際に一本化したことによるものです。
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現行のフジミのキットではオミットされていますが、日東時代はモーターライズで、しかも実車同様にFF機構をうたっていました。現行キットにあるフロントシャフトのギアはその名残と言えます。
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写真は、日東がキットを発売した当時の自動車雑誌の広告で、1983年秋の「ミスター・マッコイ」創刊号(現在は廃刊)に掲載されたものです。
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では、次回から製作に入ります。

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