スバル360・58年後期型

2020年1月12日 (日)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) 最終回

今回使用した展示ベースは、最近すっかり店頭で見かけなくなったアリイの本シリーズ専用ディスプレイケースです。かろうじて舗装されていると思われる地面には、擦り合わせて荒らした100番の布ヤスリを用い、黄色のラインを引き、バフや薄いグレーを吹いてウエザリングを施した後、ベースに貼り付けます。
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あとは、スバル360とフィギュアを所定の位置に取り付けて完成です。カタログ表紙と同じような角度で見るとこんな感じでしょうか。
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当たり前ですが、立体の情景なので、表紙とは別の角度から見ることもできます。
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製作記は以上ですが、今回この作品を製作したのを機に、今後、別の年式のスバル360の情景を製作するとともに、このキットについて、もっと深掘りした製作記を書いてみたいと思っています。
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次回、「イッコー・イオタで作るミウラJ」を再開します。

2020年1月11日 (土)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その5・デメキンの製作 ③タイヤ・ホイール等~完成

ホイールカバーは、キットの中期型以降のものとは形状が異なります。そこで、リムを含むホイール本体は同シリーズのスズキフロンテのものを使用し、別途カバーを自作することにしました。まず、プレスラインのモールドを再現した原型を作ります。コトブキヤのモデリングサポートグッズから適当な径のものをチョイスして組み合わせたものです。
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原型を「型取くん」に押し付け、型を製作します。
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UVレジンを型に流し込んで複製したものがこれです。使うのはもちろん4つですが、出来の良いものを選べるように予備を製作しておきました。
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タイヤ、ホイールの完成写真です。この時期のホイールはボディと同色に塗装されているようで、リムにそれが現われます。ホイールカバーに覗くタイヤバルブは、伸ばしランナーで製作したものです。タイヤは、キット付属のものではなく、贅沢にも1/43用でトレッドが狭い旧車のものを使用しました。表に「DUNLOP」のロゴまで入っていますが、ホワイトリボン塗装の邪魔になるので裏返しています。
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前後バンパーは、中央に溝があり、そこにアルミ製のバンパーベルト(59年後期型以降はスコッチライトテープ)が通る構造になっています。H型のプラ棒を車体のラインに合わせて曲げ、上下にプラ板を貼りバンパーの形に削ります。黒に塗装した後、溝に金属線を取り付けます。
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ドアノブは、アルミパイプを削り出したものです。
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その他、前後のライト、マーカー類を製作したのですが、加工途中の写真が見当たらないので、完成写真でご覧ください。三角窓の支柱は洋白の帯棒、ワイパーは1/43のエッチングパーツです。また、キットのままでは車高が低すぎるので、シャーシ裏を加工し、相当程度上げています。それゆえによく見える前輪のタイロッドも金属線で再現しました。
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次回、ベースを製作して情景の完成です。

2020年1月10日 (金)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その4・デメキンの製作 ②室内

キットのステアリングホイールは、樹脂製2本スポークの61年型以降の仕様で、それ以前は金属の3本スポークとなります。キットのパーツを利用し、スポークを金属線に置き換えるのですが、最初に全てのスポークを取り除いてホイールとホーンを切り離してしまうと加工が難しくなるので、順番に1本ずつ張って行きます。まず、ピンバイスでホイールを貫通し、ホーンに穴を開けます。
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開けた穴に金属線を取り付けます。
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キットのスポークをカットし、1本目と同様に2本目の金属線を取り付けます。
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最後に3本目を取り付けて、張り替え完了です。あとは、はみ出した部分を整形しておきます。
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完成したインパネの写真です。加工途中の写真を撮り忘れましたが、メーター回りなどインパネの形状もかなり改造しています。
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こちらも完成写真になりますが、シートはキットのパーツを使用して、前後ともセパレートタイプに改造しています。なお、内張ですが、初期のスバルにはキットのような内張はなく、骨格にグローブボックスのようなものが前部に付いたタイプとなっています。写真はないのですが、キットの内張部分をカットしグローブボックス付の骨格をボディ側に直接取り付けています。
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後部シートの位置が、キットのままでは前に寄りすぎています。シート全体がホイールハウスの前に付くような形になっているのが原因で、シートの両サイドを削って実車同様にホイールハウスの一部が覗くようにして後ろにずらせました。
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前回のブログで、今回で「スバル360の完成」と説明しましたが、次回、タイヤ・ホイールなどの製作をもって完成に漕ぎつけます。

2020年1月 9日 (木)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その3・デメキンの製作 ①ボディ

ブログの更新が滞りがちですが、実はパソコンを買い替えたため、データの移行などに時間を割かれたのが一因です。これまでのOSがウインドウズ7だったので、サポートが切れる直前の駆け込み購入です。
 
さて今回は、アリイ1/32のスバル360を「デメキン」と称される初期型に改造します。キットは65年ごろの中期型を再現しており、初期型との最大の相違点はヘッドライト回りです。また、このキットのホディはスバル360らしい丸みがやや足りないので、その辺りも修正しつつ製作します。

まず、フロントフード下部の形状を修正します。写真の右がキットの状態、左が削り込んだものです。
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ノーズ先端は、もう少し丸みがあり、下端が絞り込まれた形状をしているので、ボリュームを増す加工を施します。いきなりパテを盛っての成形は難しいので、ガイドとなるプラ棒を貼り付け、その隙間をパテで埋めることにしました。この辺りの加工は、キットの中期型を製作する場合でも有効でしょう。
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加工途中の写真がないのですが、バンパーをカットした上でノーズに丸みを付けます。ライト回りには、WAVEの「プラ=パイプ(グレー)」の肉薄7.0mmを埋め込みます。このパイプの内径が6.2mmで、6.0mmのパイプで製作するライトがちょうど収まります。パイプは、キットの元のライト穴より少し下で、ボディの真ん中寄りになるように、ボディ側を削って取り付けます。
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フロントフードの六連星のエンブレムですが、キットのデカールは使わず、というか色が黄色で使えないので、極細のプラ棒などを使って製作しました。十字の星の部分はプラのメッシュをカットしたものです。少々オーバースケール気味ですが、立体感があって良いと思います。
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リアサイドのインテークは、ボディに直接スリットが入った中期型以降とは形状が異なります。ボディのスリット部分を切り抜き、WAVEの「モールド・プレート(1)」をカットしたものをボディ裏側から取り付けます。
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リアフードの冷却口は、キットのような2段のスリットではなく、横型ルーバーが付きます。これの再現にも「モールド・プレート(1)」を使用するのですが、隙間をより深く削り込んでいます。もちろん、事前にリアフードのスリットはパテで埋めておきます。
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写真では分かりにくいかもしれませんが、フロントだけでなく、サイド下部からリアフェンダーにかけて、相当程度削り込んで丸みを付けました。あとは、三角窓の基部の製作、リアのホイールアーチ前部に付く飛び石防止用オーナメントの形状変更などの細部を加工して、ボディは完成です。
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ボディの基本塗装を行った状態です。この後、中研ぎをして半ツヤクリアを吹きます。フロントフード下の「SUBARU」のオーナメントなどは、自家製デカールです。
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次回は、室内とバンパーを含むシャーシ、タイヤ・ホイールなどを加工して、スバル360の完成です。

2020年1月 5日 (日)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その2・青山京子さんと少年のフィギュア

青山京子さんという女優の存在を知ったのは、このカタログによってです。私が生まれた数年後には、かの小林旭さんと結婚して引退されたので、現役のころのご活躍は全く知りません。無名の女性モデルなどであれば、フィギュアを製作する方も気が楽だったのですが、往年の名女優と知って少し気が引けたのも事実です。

とは言え、もう出来上がっているので、説明を続けます。フィギュアのベースは、マスターボックスの女性と子供のもので、まずは身長を伸ばしたり、大体のポーズを決めたりします。
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フィギュアの製作は、実際にはスバル360の製作と平行して行います。実物写真をよく見て、人物のポーズはもちろん、車体との位置関係など細かく調整する必要があるからです。フィギュアの製作途中でも、割とこまめに車体と並べて具合を見ました。
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ポーズなどが決まったら、個々のフィギュアの製作を進めます。パンツスタイルはエポキシパテを盛って再現します。
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カタログ写真では今一つよく分からなかったのが髪型です。当時の女性の流行りの髪形がどんなものかをネットで調べてみたところ、昭和30年代の「婦人画報」などで「ローマの休日」のオードリー・ヘプバーンのような髪型が紹介されていましたので、これを参考にパテで成形しました。
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ベースのフィギュアの顔は彫の深い外国人なので、おでこや頬などを削ります。女優さんだからというわけでもないのですが、鼻筋は通っている方がよいと思い、ほぼそのままとしました。
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塗装途中の写真がなかったので、いきなり完成写真です。使用した塗料は、いつもの水性ファレホです。そっくりさんになったかどうかは微妙ですが、私にはこれが限界です。
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少年の方は、ベースのものから脚、胴を伸ばして身長を高くしています。
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こちらも塗装して完成です。
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二体のフィギュアを並べてみました。それにしても、以前は兵士ばっかり製作していたのに、最近はもっぱら女性が中心という状況です。
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ちなみに、カタログには他のカットも載っており、塗装の際には大いに参考になりました。
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次回は、スバル360の改造です。

2020年1月 2日 (木)

スバル360(58年後期型)カタログ表紙の情景 (アリイ1/32改造) その1・プロローグ

明けましておめでとうございます。新年一発目は、いろいろ考えたのですが、これにしました。モデル自体は昨年末に完成し、模型博覧会に出品したものです。
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モチーフは、58年後期型のカタログ表紙です。女性のモデルは、当時の人気女優・青山京子さん。撮影された場所は、地方空港の滑走路のような感じですが、よく分かりません。
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使用したキットは、アリイ(旧LS)1/32のスバル360ですが、当然のことながら初期型のデメキンタイプに改造する必要があります。フィギュアは、マスターボックス(MB)のものをベースに使用しました。

では、次回、青山京子さんと少年のフィギュアから始めます。

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