スバル360・67年式&キット総括

2020年5月20日 (水)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) 最終回

金属線で製作したフロントタイヤのタイロッドを前回の最後で紹介しましたが、下から覗くと、ご覧のようにしっかりと見えます。
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さて、あらためて素組み完成品(左)と比較してみました。
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真横から見ると、車高の違いがよく分かります。
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前から見たところです。フロントフードやノーズの形状が異なります。バルケッタ製のヘッドライトパーツの効果もよく出ています。
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後姿です。何と言ってもテールライトの位置が大きく異なります。なお、製作記事で書き忘れましたが、給油口扉のキーは、さかつう製の「埋込みピン」で、バンパーの右下に見えるマフラーのテールエンドを、先端を楕円につぶしたアルミパイプで再現しています。
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細部を比較すると、自作のミラーやエッチングのワイパーのおかげで精密感が増しています。フード上のエンブレムの立体化もこだわったところです。ライトカバーを少し大きくしているのも分かると思います。
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最後に、展示ベースの製作です。まずネームプレートのデザインは、当初は簡単に車名を記したもので適当に済まそうと思っていたところ、今回の製作資料とした実車カタログの表紙が目に留まり、これを活用することにしました。それにしても、当時流行ったサイケデリックな色調が反映されているのか、今では考えられないような斬新なデザインです。
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表紙をスキャンした上、「’67 SUPER DX」の文字を加え、いつものようにステッカー化してケースに貼りました。ケースは、かなり前に購入したKID BOX製のコレクションケースで、1/43のミニカー用のものです。
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クリアケースを被せて元の紙箱に入れると、市販のミニカーのようですね。
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以上で、今回の「スバル360(アリイ/旧LS 1/32)」編は終了です。このキットの製作記事の決定版になったと言えば口幅ったいですが、みなさんの製作の参考になれば幸甚です。

2020年5月18日 (月)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その16 ・ 完成 

予定より少し遅くなりましたが、無事完成しました。
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グレードがスーパーデラックスということで、モールやサイドオーナメントなど外装パーツの随所にメッキが施されているので、ハセガワのミラーフィニッシュで仕上げました。
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ワイパーは、SWASH DESIGN製のエッチングパーツで、軸に虫ピンを用い、その頭に接着しています。
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タイヤは、前回述べたように悪戦苦闘しましたが、ナローなコジマ製を使ってよかったと思います。もちろん(ホワイトウォールでなく)ホワイトリボンであれば言うことなしですが。
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フロントタイヤのタイロッドを金属線で再現しています。また、メンテナンス性を考慮し、ボディとシャーシの接合はネジ留めとしました。実際に外すことはまずないと思いますが。
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次回、展示ベースを製作するとともに、素組み完成品との比較などを行い、雑感を述べて終わりたいと思います。

2020年4月25日 (土)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その15 ・ ホワイトリボン・・・?

前回説明した悪戦苦闘の要因はこれです。デラックス以上のグレードが履いているホワイトリボンタイヤです。って、これはホワイトウォールやないかい。先にツッコミを入れておきます。
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混同されることもありますが、一般的にホワイトリボンは、タイヤのサイドウォールに細いラインが入ったもので、対してホワイトウォールは、サイドウォール全体あるいはリムに接したビード部から半分位まで塗装されたものを言うようです。実車が履いているタイヤは、ホワイトリボンの方です。ちなみに初期型(デメキン)から64年式あたりまではホワイトウォールです。
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(67年式カタログより)

当然、これを再現するつもりで、タイヤをマスキングし、ホワイトサフで塗装するのがいつものやり方です。「その12」で述べたように、タイヤこそキット付属のものを使用せず、コジマ製に交換していますが、今回もいつものやり方で仕上げる予定でした。ところが・・・。まずマスキングテープがタイヤに貼れないのです。いくら押さえてもツルツルと滑り、粘着力が全く効きません。この時点でいやな予感はしたのですが、ならばということで、このようなテンプレートをプラ板で作ってみました。
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テンプレートでタイヤを覆ってホワイトサフを吹いたのですが、今度はそのサフが全く定着しません。指で軽く擦るだけで、跡形もなく消えてしまいます。ラッカーの白もしかりで、やってはいませんが他の塗料でも同じ結果になると思います。そこで今回、以前から一度試してみたかったものを使うことにしました。それがこの「染めQ」で、通販で購入しました。
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残念ながら結果は同じでした。専門的なことはよく分かりませんが、コジマ製タイヤのゴムは、どんな塗料も受け付けない材質のようです。せっかく買った「染めQ」なので、試しにキットのタイヤに使ってみると、塗料はしっかりと定着してくれて、柔軟なゴムでも簡単に剥がれることはなさそうです。ただ、通常の模型用のマスキングテープを使用した場合、おそらく染み込む力が強くてそれが作用するのか、テープを剥がした後に粘着剤が残ります。したがって、マスキングする場合、テープをフィルム状のものにするか、セロテープを使用すればよいと思われます。

塗装がだめなら、ということで、今度はデカールで再現できないかを試みました。使用したのは、A-ONEの「デカールシール・白地タイプ」です。通常は何かを印刷して使用するのですが、印刷しなければただの白地のデカールで、これをリング状にカットして貼るということです。白地のデカールは他にもありますが、これを使用したのには理由があります。このデカールは、同社からタトゥーシールとして販売されているものと基本的に同じなので、柔軟性があり、ゴム面にも馴染むことが期待できるからです。
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まず、キット付属のタイヤで試してみました。試しということもあってラインが少し太めですが、しっかりと定着します。ゴムを多少変形させても、剥がれたり、ヒビが入ったりといったことはありません。
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しかし、コジマ製タイヤには通用しませんでした。そもそもデカールが全く貼り着きません。他にも、ハセガワの「ホワイトフィニッシュ」なども試しましたが、これもだめでした。最後の手段として、リング状にカットしたプラシート(0.1ミリ厚)を接着するというのも試しましたが、どんな接着剤を使っても綺麗に剥がれてしまいます。
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この段階で考えたのが、今回のタイヤはホワイトリボンなしとするか、太さよりホワイトリボンを優先して、キット付属のものに戻すかということでした。しかし、使用感を表現した情景ならいざ知らず、カタログモデルでスタンダードが履く無地のタイヤはないだろう、さりとて、せっかく細身のタイヤがあるのにそれを使わないのは、と悩みました。

その時、最後の手段であったプラシートを接着する方法において、直接タイヤには無理でも、ホイールのリム部分には接着可能だということに気づいたのです。しかし、それは同時にホワイトリボンを捨て、ホワイトウォールにするということを意味します。まさしく次善の策を選択した結果、冒頭の写真のものができました。いずれにしても、相応に時間を費やした理由がお分かりいただけたと思います。

次回は、完成品のお披露目を予定しています。

2020年4月19日 (日)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その14 ・ 内外装の塗装

更新が滞って、気づけばもう4月後半になっていました。他の作品を並行して製作しているのも遅くなった要因ですが、実はこの1~2週間、とあるパーツの処理に大変手間取り、悪戦苦闘していたのです。それに関しては次回で詳述するとして、今回は内外装の塗装について紹介します。

ボディカラーについては、オーソドックスなアイボリーと少し迷ったのですが、本作のスーパーデラックスにのみ設定されている「サテンブロンズ」にしました。おそらくスバル360で唯一のメタリック色で、一般的にはシャンパンゴールドなどと称されている色です。
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ただ、実車の写真などでは、ほとんどシルバーに見えたり、ガンメタのような感じだったりと、色味がよく分かりません。このモデルの写真でもシルバーが強く出ており、実物はもう少しゴールド掛かっています。ちなみに使用した塗料は、タミヤラッカーのシャンパンゴールドをベースに、マイカシルバーを極少量混ぜたものです。
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ルーフはもちろん白です。多少のタッチアップは必要ですが、まずまず綺麗に塗り分けられました。この後、リアのオーナメントなどの自作デカールを貼り、クリアを吹いて仕上げてゆきます。
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室内に移ります。このボディカラーのシートや内張の設定色は、一見黒に見えるような濃いこげ茶色です。ベース色を塗装後、エナメルのフラットブラックでウォッシングしました。
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アルミパイプで製作したサイドブレーキの頭には、伸ばしランナーを埋めてプッシュボタンを再現しています。なお、この年式ではOTでも、副変速機は付きません。
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床は、センターコンソールをまたいで濃い赤色のフロアカーペットで覆われています。1/24であれば、布地のものを貼るのもありですが、1/32ではオーバースケールなので、塗装で再現します。ただし、塗装法は少し変わっていて、エアブラシの向きを塗装する面に対して斜めに、少し離して吹いて表面をざらつかせます。ボディなどを塗装した際に、内側がざらついてしまうことがよくありますが、それを意図的にやるわけです。
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インパネはこんな感じです。加工時(その11)にも述べたように、上面は黒のパッドで覆われています。
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メーターは、デカールを貼り付け後に、表面にエナメルのクリアを塗っています。あらためてキットを素組みしたもの(下の写真)と比べてみました。
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あと、細かいパーツですが、ルームミラーのステーを金属線に換えました。
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次回は、冒頭に述べたように、思わぬ落とし穴に苦労させられた話です。

2020年3月30日 (月)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その13 ・ バンパー等の製作

外装の各種パーツを製作します。ボディと一体となっていたバンパーは削り取ったので、別途製作する必要がありますが、今回はアルミパイプを使用しました。まず、アルミパイプを万力で縦横にプレスします。断面でみて楕円形になるように、数回プレスを繰り返します。
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これをボディの前後に当てて、バンパーの形に整えて行きます。裏側が抜けていれば、バンパーとしてよりリアルでしょうが、これでも十分だと思います。
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フロントバンパーの方は、ナンバーが付くために真ん中がへこんでいます。プラと違い、ペーパー、コンパウンドで磨くとメッキのように輝くのが、アルミパイプの利点です。ただし、このままだと、時間の経過とともに酸化して曇る恐れがありますので、念のためメタルプライマーを吹いてコーティングしました。
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今回はスーパーデラックスということで、フロントバンパーの両サイドにフォグランプが備わります。ランプ本体は、コトブキヤのモデリングサポートグッズのパーツを加工し、レンズ部分は、メーカーを失念しましたが、1/43用のもの(下の写真)を持ってきました。
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フェンダーミラーは、キットのものを使わず自作します。ステー部分は、洋白線に換えるだけでもよいのですが、付け根に向かって広がっている形を再現してみました。洋白線に極細のアルミパイプを通し(写真左)、一体となるように削ります(写真右)。
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ミラー本体は、これまたコトブキヤのモデリングサポートグッズのパーツです。全体をメッキクロームで塗装し、ミラー面には、HIQ PARTSのセンサー用メタリックシール(シルバー)を貼るつもりです。
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ドアノブも、アルミパイプを削って製作しました。
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これで、基本的な製作が終わりましたので、次回は塗装した状態を紹介する予定です。

2020年3月26日 (木)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その12 ・ タイヤの交換

シャーシの加工(その9)でも述べましたが、キットのタイヤは太すぎます。初期型(デメキン)を製作した際には、同じ位の径の1/43用を流用したのですが、そのタイヤは海外製で、値段はともかく、簡単に入手できるものではありません。そこで、ネットで探して見つけたのがこれ、東京のミニカーショップ・コジマさんのオリジナル商品「1/43タイヤB」です。1セット378円(税込)と、値段もとてもリーズナブルです。
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キットのタイヤ(写真左)と比較すると、太さの違いがよく分かります。ただし、外径は全くといってよいほど同じですが、内径がやや大きく、キットのホイールにはブカブカで合いません。
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そこで、これを使用します。電線ケーブルや水道管などに巻くゴムテープです。
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タイヤ幅に細く切ったゴムテープを、ホイールに巻き付けます。テープの厚さが約0.5ミリあるので、一周巻けば径が1ミリほどアップするという具合です。もちろん実際はホイールの塗装後に行いますので、今回は仮組みです。Img_2434

ホイールにタイヤを装着した状態です。写真左がキット、右がコジマ製です。あらためて見ると、キットのタイヤは、ショルダー部分の溝が旧車らしさを醸し出していて、これでもう少し細ければよかったのにと悔やまれます。
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次回は、バンパーなど、外装パーツを製作します。

2020年3月24日 (火)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その11 ・ インパネ等の加工

引き続き内装関係です。まず、インパネですが、67年式の場合は上半分が黒のパッドで覆われていますので、プラ棒やスジ彫りで再現し、その上の灰皿(の蓋)もプラ板で追加しておきます。ライトなどのタンブラースイッチをモールドから虫ピンに置き換え、スーパーデラックスならではのシガーソケットも、その下に設けました。助手席前の手すりも金属線に換えています。さらに、ステアリングシャフトに付くウインカーレバー(?)も、極細の虫ピンの頭にプラリペアを盛ったもので製作しました。
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キットの元のパーツ(写真左)との比較です。
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キットのステアリングホイール(写真左)には、ホーンリングが付いているので、これを取り去ります。ホーンボタンの形状も異なりますので、コトブキヤのモデリングサポートグッズからそれらしい形のものを持ってきました。
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ドア内部と一体の内張パーツは、シャーシに直接取り付けるようになっていますが、取り付け位置のガイドとして、フロアとフロントのタイヤハウスに突起があります(写真の赤丸部分)。
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これが実は曲者で、ガイドに沿って所定の位置に取り付けたものを外側から見るとこうなります。内張の下がサイドシルからはみ出し、両端の爪のような出っ張りと相まって、ボディの下端を末広がりにしてしまうのです。これでは、サイドシルを削った意味がありません。
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よって、内張外側の爪やシャーシ側の突起はすべて削ります。ついでに、前回の後部シートを下げたことで露出したフロアのへこみ部分などを塞いでおきます。また、いつもの加工ですが、モデルを台座などにネジ止めできるように、ナットを埋め込んでおきました。
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内張には、ガラス昇降用のレギュレーターハンドルとドアレバーがモールドされています。そのままでもよいのですが、より実感を高めるため、また塗装のしやすさなどを考慮し、これらを一旦切り離します。無論、パーツはそのまま使用するので、丁寧に切り取り、整形します。
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シフトレバーの基部を設けたセンターコンソールをプラ棒で製作し、フロアに取り付けます。シフトレバーは、虫ピンの頭にプラリペアを盛り、整形したものです。なお、写真にはありませんが、サイドブレーキも極細のアルミパイプで製作しています。
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インパネ下のラゲッジシェルフや、足元のABCペダルも製作しました。これらは塗装後に取り付けますが、残念ながら完成後はほぼ見えなくなるので、あっさりとしたものに仕上げています。
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次回は、今般の製作にあたり、新たに適当なタイヤを入手することができたので、これを紹介することにします。

2020年3月13日 (金)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その10 ・ 前後シートの製作

内装に移りますが、まずはフロントシートから。デラックス以上のグレードでは、セミセパレート式のベンチシートとなり、キットもこれを再現しています。ただし、座面はよいのですが、背もたれまで一体化しているので、切れ目を入れてセパレート感を出します。また、シートの前後を貫通するセンターコンソールは別途製作するので、切り取った上、穴を開けておきます。
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元のキットのシートパーツ(写真左)と比較するとこうなります。なお、座面などの意匠も少し異なるのですが、スジ彫りをパテで埋めるにとどめました。
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次にリアシートですが、こちらは少し加工が必要です。というのも、そのままでは前に寄りすぎているからです。パーツをシャーシに置いてみると、シート全体がタイヤハウスの前に押し出されたように付きます。
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実車では、シートの両端にタイヤハウス前部による膨らみがあり、言い換えれば、タイヤハウスにシートが挟まれたような感じになっています。そこで、シートパーツの両端の裏側を削り、切り込みを入れました。上の写真がキットのまま、下が加工後です。加工によりシートが後ろに下がった分、シャーシ床の四角いへこみが露出したのが分かります。
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もちろんタイヤハウスが直接顔を出しているのではなく、背もたれに包まれていますので、切り込みを入れた箇所にプラ帯棒を覆うように被せ、パテを盛り整形しました。こちらも座面の意匠が異なるので、少し手を入れています。
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元のパーツ(写真左)との比較です。シートを後ろに下げた分、リアのラゲッジスペースも、そのままではボディに干渉するので短くカットしています。
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あらためて、シャーシに前後シートパーツを取り付けた写真です。上が加工前のもの、下が加工後のものです。シート前後の間隔が、それなりに空いているのがお分かりいただけると思います。
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次回は、インパネ、内張などの加工です。

2020年3月 5日 (木)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その9 ・ シャーシの加工、車高調整

素組み完成品のレビューで述べたように、実車のイメージを損ねている最大の要因が低すぎる車高です。そこで、足回りを加工して車高を調整するのですが、まずはシャーシとボディをきっちりとフィッティングさせないことには始まりません。特にリアは、フェンダーを丸めるために相当削ったので、そのままではシャーシがはまりません。
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サイドシルも、そのままではボディのサイド下部に引っ掛かります。もちろんプラなので、ボディ側を少し広げれば簡単にはまるのですが、これが前回述べた「末広がり」の原因となります。
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そこで、シャーシの後部を丸く、サイドシルを細く削ります(シャーシ前部も削っていますが僅かです)。写真の右が加工前、左が加工後ですが、これだけを見ても、後部フェンダーは相当削ったことが分かります。
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シャーシをボディにきちんとはめることができたところで、次はタイヤ、ホイールの加工です。まず実車写真(65年式カタログより)をご覧ください。車高の高さもさることながら、キャンバー角(もちろんポジティブ)が付いています。特に後輪はきついですね。
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要は、キャンバー角を付けた車高調整が必要ということです。ただ、情景作品などでは車輪を固定するので割と簡単ですが、今回は車両単体ということもあり、車輪が回転するようにしたいので一工夫が必要です。キットの車軸は3ミリ以上の太さがあり扱いにくいので、ホイールに2ミリ径のプラ棒が収まるように加工します。キットのホイールの裏側は、このようになっていますが、
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車軸を取り付ける穴に、3ミリ径(内径2ミリ)のプラパイプを埋め込みます。
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2ミリ径のプラ棒で製作したリベットを車軸として、これをプラパイプに通してホイールに取り付けます。シャーシに固定するのはプラパイプだけなので、ホイールの方は回転可能になるということです。
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前輪(上の写真)、後輪の車軸、プラパイプをそれぞれシャーシに取り付けた状態です。もちろん、この段階で接着したのはプラパイプのみで、ホイールとリベットの接着は塗装後に行います。リベットの頭が少し出ているのは、仮組みゆえで、本来はピタッと収まります。
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裏から全体を見るとこんな感じです。
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タイヤ、ホイールを取り付けたプラパイプをシャーシに接着する際、車高やキャンバー角を一定に保てるように、このようなスペーサーを用いました。適した高さにスチレンボードを積層したもので、これをシャーシ裏に両面テープで貼り付けます。
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スペーサーをかませた状態で、後部から見たところです。一見、キャンバー角がきつすぎる感じですが、スペーサーを外すと、自重やプラパイプと車軸のアソビで、ほどよくなりました。
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ボディを被せてみました。概ね実車と同じような車高になったと思いますが、やはりキット付属のタイヤは、やや太い感が否めません。初期型(デメキン)を製作した際には、1/43のものを持ってきたのですが、いつもそんな贅沢はできませんし。
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次回は、内装に移ります。

2020年3月 1日 (日)

スバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その8 ・ ドア回り等の加工

ドア回りのディティールを加工します。まず、キットの三角窓は、このように棒が一本立っているだけです。
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三角窓の上下をプラ棒で製作します。支柱部分は、ガラスとなる透明プラ板の方に取り付けるので、ボディ側での加工はここまでです。また、ドアノブは、アルミパイプで別途製作するので、モールドを削り取り、穴を開けておきました。
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次に、これは案外気付かない所ですが、キットでは「雨どい」が省略されています。実車では、63年型(62年後期型とする説あり)から取り付けられたもので、それ以前の初期型に比べ、何となくドア(窓)が奥に入ったような印象を受けるのは、これのためです。プラ帯棒を、ドアに沿って上部から前部フェンダーまで貼り付けます。
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素組み完成品のレビューで指摘したように、サイドの絞り込みが足りないので、プロポーションを崩さない程度に下部を削っています。ただし、このキットのサイド下部が末広がり気味になっているのは、他に大きな原因があるので、いずれシャーシや内張などを製作する時に説明します。
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さらに、ルーフの前端がやや角張っているので、角を取るように削ります。また、ここまでこだわる必要はないでしょうが、両端に継ぎ目があるので、スジ彫りしました(写真の赤丸の箇所)。実はこのルーフの継ぎ目、何故か初期型では見られず、時期は不明ですが、中期型以降にあるようで、理由などは全く分かりません。
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この後、ウインドウ・ウォッシャーの取り付け等、ディティールの加工を施しますが、ボディ関係は基本的に今回で完了とし、次回はシャーシ、足回りに移る予定です。

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