スバル360・Sさんの最終型

2022年6月15日 (水)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その8 ・ エンジンの製作 ②クラッチハウジング、デスビ、ゼネレーター等

こちらは久しぶりの更新です。エンジン関係は8割ぐらい完成しているので、順次紹介して行きます。

エンジン本体の下部、クランクケースです。もちろん見える前面のみです。
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取り付けると、よりエンジンらしくなりました。
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エンジンの向かって右側に付くクラッチハウジングを製作して行きます。
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アルミパイプはデスビの、白いプラ帯棒はゼネレーターを支えるパーツの、それぞれの基部です。
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クラッチハウジングをエンジン本体に取り付けます。この時、ベルトのプーリーも一緒に。
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続いて、スターターです。
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こちらも、クラッチハウジングを介してエンジンの前面に取り付けます。
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ゼネレーター本体を製作します。個々のパーツの名称などが分からず、どう説明してよいのか分からないので、とにかく写真をご覧ください。
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塗装の便を考慮して、この円筒部分は塗装後に取り付けることにします。
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ゼネレーター基部をエンジンに取り付けます。
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デスビは、アルミパイプのヘッドに、プラグコードを付けるための真鍮パイプを差し込んで製作。実際はもう一つコネクタがあるのですが、これが限界です。
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これで一応、エンジンの右側はほぼ完成です。プラグコードはもちろん、ゼネレーターに付くベルトなども塗装後に取り付けます。
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次回は、エアクリーナーなど、エンジン左側の製作です。

2021年12月15日 (水)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その7 ・ エンジンの製作 ①シリンダー、キャブレター等

まず、実車のエンジンを見てみましょう。もちろんSさんのスバルそのもので、とても綺麗ですね。特徴的なのは、エンジン本体よりも、エアクリーナーやゼネレーターが手前に置かれ目立っていることです。
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さて、製作に関してですが、今回はエンジンを単体で飾るわけではないので、要は見える部分だけを作るということになります。具体的には、リアフードから見て、エンジン背後にあるデフやミッション、排気系などは全く見えないのでオミットします。下手に作り込んで、見えずに徒労に終わるだけならまだしも、車体に収まらないとなったらシャレになりません。ちなみに、各部のサイズの割り出しには、実車写真の他にエブロ1/12のミニカーなどを参考にしました。

まずは、エンジン本体、シリンダーから製作します。プラ棒をベースに、プラ板を積層して作ったフィンを貼付けます。フィンの数は実車には遠く及びませんし、そもそも実物のシリンダーは2気筒で2つに分かれているのですが、アウトレットダクトを被せるとほとんど見えないので問題ありません。左側にプラ棒を残しているのは、作業する際の「持ち手」で、シリンダーヘッドのフィンをなるべく触らないようにするためです。
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前述のように、見えない部分は再現しないので、裏側はこんな感じです。
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次に、シリンダーに被せるアウトレットダクトを製作します。こちらも表側、すなわち見える部分だけです。上部の2つの円内に、プラグコードを挿す穴を開けています。
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このダクトのおかげでシリンダーはほとんど隠れますが、奥の方にヘッド部分がチラッと顔を覗かせてくれます。
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続いて、キャブレターです。プラ棒や金属線、市販のディティールアップパーツを組み合わせて製作したものです。シリンダーから伸びたマニホールドの先に取り付けます。
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なお、写真ではクローズアップしているゆえに、総じて作りが荒い、甘いようにも見えますが、ご覧のように、現物は10円玉に全て乗る程度の大きさです。スケールは1/32であることを、どうか忘れないでください。
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次回、引き続きエンジン関係で、クランクケースやクラッチハウジングなどを製作する予定です。

2021年11月28日 (日)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その6 ・ エンジンルームの製作

公私とも極めて多忙ゆえにブログの更新が半年ほど滞っておりましたが、ようやく落ち着きましたので再開です。コメントをいただいた方にはご心配をおかけしました。昨今の流行り病の感染や、健康上の問題などでは決してありませんので、念のため。 

リアフードを切り離したボディの開口部の内側に、曲げたプラ棒を加工してフチを付けます。実車ではボディの一部としてプレス(or溶接)された箇所なので、一体感が出るように隙間はパテで埋めます。
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エンジンルーム手前のパネル部分も製作しました。
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ベースのプラ板に、左右非対称のプレス模様をプラ棒で再現します。メモリ付のプラ板はこんな時に便利ですね。
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シャーシ側にも多少の加工を行います。エンジン類を収めるとほとんど見えなくなると思いますが、さすがにタイヤハウスそのままというのも何なので、手前側にプラ板で壁を設けました。
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とりあえず現時点ではこんな感じで留め、必要があればエンジンとの兼ね合いでディティールアップすることにします。
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これら一連の加工は、エンジンフードの収まり具合を見ながら行いました。
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次回は、今作の肝とも言えるエンジンの製作、もちろんフルスクラッチです。

2021年5月30日 (日)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その5 ・ リアフードの開閉機構(試作)

ボディ側のリアフード部分を、別途切り出したリアフードと慎重にチリ合わせをしつつ、削り取ります。ヒンジ部分の切り欠きは、開閉用の金属ステーの干渉を避けるためのもので、実車にはありません。
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内側からの見たところです。あえて少しだけダボ穴を残したのは、シャーシとの合わせ位置をしっかりと固定したいからで、エンジンルーム製作の際には、床で隠れます。
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肝心の開閉機構ですが、スケール的に実車のようなヒンジのみで開閉させるのは困難と判断しました。当初、アルミ棒(パイプ)などを削ってヒンジを製作しようかとも、半ば本気で考えたのですが、何より強度的に不安で、とても人様にお渡しするものができると思えなかったのです。というわけで、金属線のステーをプラパイプで固定という、ある意味オーソドックスな方法で再現することにしました。
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とは言え、ミニカーのような実車とかけ離れた開閉機構はご勘弁ということで、なるべく「ヒンジで開いている感」を出すことに努めました。
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なお、リアフードの取り付け、すなわちステー等の固定は、エンジンルームの製作やリアフードのディティールアップを行ってからとなります。今回のステー等は、あくまで開閉機構を確認するための試作品で、もう少しきっちりと精度を高めたもの新たに製作します。

次回はシャーシも含めたエンジンルームの製作です。

2021年3月31日 (水)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その4 ・ サイド~リア回りの整形

ボディのサイドからリアにかけて形を整えて行きます。この辺り、一言で言えば、「丸くする」ということに尽きます。サイドの膨らんだ部分について、少し角張った感があるので、上下を削ります。吹いたサフが剥がれているので、削った部分がよく分かると思います。
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最も削らなければならないのは、リアフェンダーです。おそらく、元のLS製品がゼンマイ走行も選択できるモデルで、車高短かつ少し大きめのタイヤのクリアランスを確保する必要からか、タイヤハウスを膨らませたことに応じて角張ったのだと思います。
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テールライトの窪みを埋めたり、給油口扉の形状修正などを行います。そして、本来はあるべきものを削り取っているのが分かるでしょうか。それは、リアフードのヒンジです。
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ヒンジはこちら、リアフード側に付きます。そう、今回の作品では、リアフードを開閉可能とし、エンジンを再現するのでした。
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ちなみに、このリアフードは、もう一つ用意した別ボディから切り出したものです。当初は、製作中のボディから切り離そうとも思った(その方が作業も1回で済む)のですが、この部分のプラが相当ぶ厚い上、切り離す前の下の写真のように、内側にボディとフードの境界をまたぐ形でダボ穴のパイプがあって、ボディからフードを綺麗に切り離すことは困難と判断しました。
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次回は、リアフードを開閉させるための加工を行います。

2021年2月28日 (日)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その3 ・ フロント回りの製作

ヘッドライトカバーをボディに取り付ける前に、ライトリムを装着するための加工を行います。リム・リフレクターは、バルケッタ製の「ライト反射カップ(小)」です。リムの方がほんの僅かに径が大きく、そのままではカバー内に収まりませんので、内側を削る必要があります。カットした虫ピンを電球に見立てます。
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リム中央の穴に虫ピンを通し、さらにライトカバーに開けた穴に差し込んで固定します。もちろん実際に取り付けるのは、ボディ塗装後の組み立て段階です。写真にはありませんが、ライトレンズはリムに対応した同社製のものを使用します。
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加工したライトカバーをボディに取り付けます。過去の作品同様、ボディ側のライト穴上部を削り、形状、角度などを慎重に調整しつつということで、結構時間を要する作業となります。さらに、取り付けた後も、ボディラインとの見合いなどでライトカバーの形状を整える必要があります。
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ウインカー基部の取り付け、バンパーステーが通る切り欠きなどに加え、今回の作品で初めて行った加工があります。アンダーパネル中央のバンパーが当たる部分にプレスラインを施しました(矢印の部分)。実際は、バンパーやそれに付くナンバープレートでほぼ見えなくなる部分です。
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そんなわけで、このプレスラインはハセガワ1/24のキットでも省略されていたりするのですが、何と、いにしえのバンダイ(旧イマイ)1/20のスバルヤングSSのキットには再現されていました。これは決して大きなヒケではありません(笑)。なお、このバンダイのキットは、いずれ本ブログで取り上げるつもりです。
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次回、引き続き、リアフード開口前に行っておくべきボディ各所の加工を紹介します。

2021年1月29日 (金)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その2 ・ フロントフード等の修正

新年一発目ですが、年が明けてすでにほぼ1か月が過ぎました。今年も静岡ホビーショーのモデラーズクラブ合同作品展が中止となるなど、先行きの見えない状況です。

私の方と言えば、本作品も含め5作品を同時並行で製作していることから、ブログの更新もままならないのですが、他の作品も製作途中の写真だけはしっかりと撮影しているので、いずれ紹介したいと思います。

さて、Sさんのスバル360の続きです。実際の製作はもう少し進んでおり、今回の最大の関門であるリアフードの開閉に取り組んでいるのですが、それはまた後日として、フロント回りの修正から始めます。基本的には、以前の作品と同じで、まずはフロントフード下端とアンダーパネルの削る箇所を油性ペンで記します。
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修正したものを、加工前と比較したものです。この時点ですでにフロントフードの形は決まるので、相当程度にスジ彫りを行っています。
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次に、アンダーパネルに少しボリュームを加えるのですが、ラインを整えるためにガイドとなる0.3ミリ厚のプラ棒を貼り付けます。ウインカーのヘコミは2.5ミリ径のポンチで抜いた0.3ミリ厚のプラ板で埋めます。これら僅か0.3ミリ厚と侮るなかれ、実車寸法に置き換えると1センチ弱の厚さとなります。ちなみに以前の作品では、0.5ミリ厚のプラ棒などを使用したのですが、結局かなり削った記憶があります。
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プラ棒の間を埋める形でパテを盛るのですが、ヒケ防止を考慮して今回はこれを使用しました。ガイアノーツ製の商品名「瞬間クリアパテ」という、シアノアクリレート系の瞬着パテです。
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フロントフードのスリットも含め、パテ埋めを施し整形したのですが、如何せんパテが透明ゆえに、写真では分かりにくいですね。
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前回の最後の写真と同じような角度でみたところです。もう少しアンダーバネルの下端を丸く絞るように削る必要がありますね。まあ、フロントバンパーでほとんど見えなくなる部分ですが。
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次回、ヘッドライトカバーなど、フロント回りの製作を進めて行きます。

2020年12月31日 (木)

Sさんのスバル360 (アリイ/旧LS 1/32) その1 ・ ボディの下ごしらえ

ここ数か月、ブログの月一更新(しかも月末)が常態化してしまいました。といっても、決して模型製作そのものを中断しているわけではありません。月末どころか、本年最後となりましたが、どうかよろしくお付き合いください。

さて、Sさんのスバル360に関して、実車は先月(11月)に仕上がったとの報を受けました。ご覧のように、某有名ショップの手による見事な出来栄えです。
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模型製作の方はこれからが本番ですが、その紹介方法で少し迷いました。本キットについてはこれまでブログで何度も取り上げ、特に「67年式」編で総括的に述べましたので、詳細は省くことも考えたのですが、一方で、あらためて一から説明するのもありかなとも思ったのです。当のSさんに進捗を詳しく伝えるという意味もあります。

というわけで、今回はまずボディの下ごしらえからです。実は、ここで最初に大失敗をやらかしてしまい、それがブログ更新の滞る遠因ともなったのです。前回述べたように、本作ではエンジンを再現するということで、リアフードの開閉を検討しているのですが、思い付いた方法を試したくて、先にフードを切り取りました。その結果、これから述べるようなボディ、特にリアフェンダーの加工を行った際に、見事真っ二つに折れてしまったのです。フードを切り離したことで、この部分の強度が損なわれたことが原因です。

そこで、リアフードを切り離す前に、過去の作品と同様、ボディの修正、前後バンパーの削り取りから始めます。まずは、前後フェンダーにプラリペアで裏打ちを行います。特にリアは相当削ることになるので、しっかりと盛っておきます。むろん裏打ちしたプラリペアが全面的に露出することはありませんが、当該箇所のプラはかなり薄くなるからです。
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フロント部分の加工前後の比較です。バンパーを少しだけ残しているが分かると思いますが、これは、次回以降で紹介するフロント回りの加工と関係します。
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リアもかなり削っていますが、これはまだ序の口です。この後、サイドの絞り込みと合わせ、さらに削ります。この段階でも、下端の方で裏打ちしたプラリペアが少し露出しています。
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裏返すと、丸みを付けた修正がより分かるでしょう。
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細かい所では、ドアノブ、三角窓は別途製作するので切り取り、ワイパーやフェンダーミラーの取り付け穴を小径化するために、一旦埋めておきます。
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上記の写真などでも分かるように、このキットはバリがひどく、パーティングラインもかなり目立ちます。これを修正するにおいて、ひたすら削ればよいと考えるのは早計です。近年の精度の高いキットであれば、パーティングラインは単なる「継ぎ目」なので、これを削るだけで面一になる場合が多いのですが、昭和の古いキットはそうは行きません。このキットでも、パーティングラインを境に段差ができていて、正確な面を出すには、高い方を削るのか、低い方を埋めるのかを見極める必要があります。例えばフロントフェンダーに大きなパーティングラインがあります(矢印)が、その下(赤斜線)の箇所がヒケています。一方、リアフェンダーにも大きなパーティングラインがありますが、こちらはフェンダーそのものを大幅に削るので、跡形もなく消えます。
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ルーフのモール上にも、沿うようにパーティングラインが走っており、しかもその影響があってか左右で太さがやや異なる状態となっているので、セラミックナイフ等で整えておきます。
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こういった修正も含め、以後の加工を行うに際して、白地のプラはどうしても細かいモールドなどが分かりにくいので、この辺りで軽くサフを吹いておきます。
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次回は、フロント回りの加工です。それでは皆様、よいお年をお迎えください。

2020年10月31日 (土)

さて、

前回の更新からまた1か月が経ってしまいました。この間、何もしていなかったわけではないのですが、「ぜっしゃか!」の情景を含め4作品同時に製作していると、どうしてもブログ更新が滞ってしまいます。

にも関わらず、さらにもう1作品、新たに取り掛かることにしました。本ブログをご覧になったある方(以後、Sさんとします)から、レストア中の愛車・スバル3601/32の模型で再現することを依頼されたのです。実車は、塗り立てのサテンブロンズが美しい最終型です。
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これまでアリイ(旧LS1/32のスバル360は何台も製作しましたが、今回の最大の見せ場は、Sさんが希望する「エンジンの再現」でしょう。リアフードの開閉をどうするかなど、まだ検討中ですが、自身にとっても本キット製作の集大成になるかもしれません。
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次回から、「ぜっしゃか!」以外の製作はひとまず凍結し、本作品に専念するつもりで、進捗をブログで紹介して行きます。

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